バンコクのヤワラート(中華街)に位置するワット・トライミットというお寺は黄金仏が有名で、最近、久しぶりに訪れた時も、日本人観光客でいっぱいだった。昔、タイで上座部僧として黄色い衣を着て修行中に、一人でこのお寺を訪ねた時も、日本人の団体が訪れていて、添乗員が私の方を見ながら、ああしてタイ人のお坊さんもたくさんお参りに来られます、などと説明したことを、ふと思い出した。
黄衣でカンボジアのアンコール・ワットを一人で訪ねた時は、日本人団体の内の一人のおじさんが、えっへっへ、ごめんなさいよ、撮っちゃえ、などと独り言を言いながら、私の姿をカメラに収めたものだ。
インドネシア僧と一緒にジョグジャカルタのボロブドゥール遺跡を訪ねた時に出会った日本人の方は、黄衣の私を一目見るなり、日本人の方ですね? と仰るので、どうして分かったんだろうと思ったら、この方は林行夫氏という、森の寺(ワット・パー)研究などでも知られる、有名な学者さんでした。
通常、一般の日本人は黄色い衣を着たお坊さんを、日本人かも知れないなどとは考えないということを言いたいのだが、「黄衣を隠れ蓑にする」という一点に限って言えば、仏教的には何かと問題も指摘される「ビルマの竪琴」は、このテーマを最もよく表した小説だろうと思う。
⇒「ビルマの竪琴と高僧の腕輪」
⇒「ビルマの竪琴と高僧の腕輪」
実際に、岩本千綱や辻政信といった軍人は、黄衣を隠れ蓑に逃走や作戦を企てた。
岩本千綱
⇒「上座部仏教」
辻政信
⇒「日本人上座部僧」
西原理恵子氏の元夫・鴨志田穣氏もお坊さん姿でミャンマーに入国したんだとか。
⇒「鴨ちゃんはタイで出家したのかミャンマーで出家したのか」
岩本千綱
⇒「上座部仏教」
辻政信
⇒「日本人上座部僧」
西原理恵子氏の元夫・鴨志田穣氏もお坊さん姿でミャンマーに入国したんだとか。
⇒「鴨ちゃんはタイで出家したのかミャンマーで出家したのか」
隠れ蓑にするためではなく、純粋に発心して上座部僧となる日本人が、近年、増えていることは、誠に喜ばしい限りだ。