京都切り廻りの第1週目、6月6日は光永圓道大阿闍梨が、道中、祇園放生会の導師を勤められたため、北野天満宮への到着は例年より少し遅くなるとのことで、境内に待つ参詣随喜の人々の、期待と緊張はいや増すばかり、やがて4時を20分ほど過ぎた頃、待ち兼ねたほら貝の音が鳴り渡り、一同は等しく楼門前に頭を垂れた。
この日を一年待ちわびた近在の人々も、この日のために遠方から駆けつけたたくさんの寺院関係者たちも、あるいは何事か知らずに偶然その場に居合わせて、どうか仏縁だからと教えられ、一緒に随喜した観光客や修学旅行生たちも、みな一同に阿闍梨さんと新行さん達のお加持を受けた。
昨日は一緒に歩く随行の信者さんたちも大勢で、西洋人女性も白衣で同行しておられたが、一同は北野さんの御宝前でのお勤めを終えて、お寺の本堂に集まった。
阿闍梨さんと新行さんが本尊阿弥陀如来の前で奉修する例時作法の読経の声も美しく、丁寧なお加持も終わる頃、今まで利口に辛抱していた幼な子が、ああ、足が痛かったとようやく声を出したのも微笑ましくて、その場に居合わせた大人たちの誰しもが、きっと我が身に引き寄せて、ああ、よくがんばったねと思ったことだろう、まずは平成22年、京都切り廻りの第1週目ではありました。
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