労働者の町として知られる大阪のあいりん地区の簡宿(簡易宿泊所)、つまりは釜ケ崎のドヤ街の木賃宿が、ここ10年ほどの間に外国人バックパッカー向けの安宿に模様替えしつつある。
2002年4月の朝日新聞に、この簡宿がワールドカップ観戦の旅行者にも好評だという記事が載っていた。ちょうど韓国の寺院に泊まるテンプル・スティのシステムが、ワールドカップに合わせて発足したのと同じ時期だ。
2007年の8月にもやはり朝日新聞に簡宿の記事があり、バックパーッカー経験のある若い経営者の、あいりんをタイのカオサンのようなバックパッカーの町にしたいという発言が載っている。
2009年1月の京都新聞には、あいりん地区に外国人用のツーリスト・インフォーメーションが開設したという記事が出ていた。確かにここ何年かの間に、この付近では外国人旅行者をたくさん見かけるようになった。
2004年10月の「G-diary」という雑誌に、東京の労働者街である山谷も同じ傾向にあるという特集があったが、私は詳しく知らない。
日本には外国人バックパッカー用のゲストハウスはまだまだ少ない。日本の安宿を網羅したガイドブックなども出始めてはいるが、今のところゲストハウスと呼べる施設は京都、大阪、東京といった、外国人旅行者の多い都市に集中している。ちなみに京都には町屋風ゲストハウスが多いのが特徴。
純粋に商売として外国人を相手にしているだけのアジアのゲストハウスと日本のそれとの違いは、日本のゲストハウス経営者には、自身がバックパッカーをした経験があり、旅の延長として宿を始める人が多い点だろう。
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