台湾におけるチベット仏教事情 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

 私が修行させて頂いた、タイのワット・パクナムというお寺には、モンゴルやロシアのチベット仏教僧がたくさんいたのだが、その内のモンゴル人僧侶の一人と、海外で外国人僧侶が修行できるお寺についての情報を交換している時に、台湾にはチベット仏教寺院がたくさんある、ということを教えてもらった。

 確かに実際に台湾を訪れてみると、故宮博物院の仏教展示室でチベット人僧侶と出会ったり、苗栗に行く高速バスの中で、インドでの修行を終えた台湾人ラマ尼僧と乗り合わせて、バスを降りてから苗栗市内の宿所までタクシーに乗せてもらったり、その時に訪れた小さな新興仏教寺院に、何人ものラマ僧が止宿させてもらっているのを見かけたり、本当に結構普通にチベット仏教僧に出会うことが多かった。


 「蓮花寺佛教研究所」の、黄博士の民国チベット仏教史という記事を読むと、台湾のチベット仏教事情が詳しく理解できる。台湾でチベット仏教が盛んなのは、単純に政治的見解に共通性がある、という理由だけではないことが、よく理解できる。