西遊記における孫悟空の目的地は、インドのどこだったのか? | アジアのお坊さん 番外編

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旅とアジアと仏教の三題噺

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西遊記の中で、玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)と孫悟空の一行は、天竺すなわちインドの霊鷲山(りょうじゅせん)雷音寺、現在の地名で言えば、ラージギルを目指した。原作にそう書いてあるので、何も難しい話ではない。

 

西遊記の三蔵法師のモデルとなった玄奘三蔵がナーランダ大学僧院を目指したことは間違いではないが、「西遊記における天竺とはナーランダのこと」なのではない。

 

インターネットには他にも「西遊記の三蔵法師の目的地の一つでもあったブッダガヤ」みたいな見出しもあるが、確かに「大唐西域記」によると、実際の玄奘はブッダガヤを訪れ、割と長く滞在しているし、もちろん仏教徒にとってブッダガヤは最高の聖地だけれど、少なくとも西遊記の三蔵法師と孫悟空たち一行は、霊鷲山におわします釈迦如来の下にお経を取りに行ったのであって、ブッダガヤやナーランダに立ち寄ったとは書かれていない。
 
ちなみに大乗仏教、特に法華経において、霊鷲山は釈迦如来の浄土であり、西遊記における三蔵法師はそこを目指した訳だ

 

 
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おしまい。
 
 
※写真は香港で入手した児童向けの西遊記です。
但し、この本の場合、文中に「雷音寺」の文字はありますが、
「霊鷲山」の文字はありませんので念のため。