『ゴジラ』(1954)
『ゴジラ -1.0』は素晴らしかったんですが、
どこまでが脚本も書いた山崎貴監督のオリジナル設定なのか分からなかったので、
久しぶりに第一作目の『ゴジラ』を観ました。
山崎監督はゴジラ大好きみたいなのでシリーズ作全て観てるでしょうから、
他の作品から頂いたシーンがある可能性も大きいですが、
ボクはそこまで観てないので、
あくまでも今回は この初代ゴジラと比べてどうか?ということだけ書きたいと思います。
ということで
【『ゴジラ -1.0』のネタバレも含みます】
東宝のマークって変わってないんですね~^^
このマークだけでスイッチ入るファンもいそう^^
原作があったんですね。
やっぱり何といっても伊福部さんの音楽と円谷さんの特撮ですよねー!!
『マイナスワン』で伊福部さんのお馴染みの音楽が(ここゾ!!!)というところでかかったのは盛り上がりました♪♪
冒頭からいきなり見せ場がきて、
97分というコンパクトな上映時間なので
娯楽作品として理想的なテンポになってるのがいいです。
浮流機雷は『マイナスワン』で出てきて
あれは上手い設定やと思いました。
ゴジラがすでに言い伝えにある怪物で
若い娘を生贄としていたという話でキング・コングを連想しましたが、
作り手も意識していたのは間違いないと思います。
ゴジラといえば着ぐるみのイメージですが、
本作のゴジラは『キング・コング』みたいなストップモーション・アニメみたいな動きが多くて、考えてみれば、着ぐるみにしたら それなりに大きなミニチュアを作らなければいけないからなんかなー?とか考えました(^^ゞ
ゴジラ上陸シーンが早い段階で出てくるのもいいです。
今回の鑑賞で一番いいと思ったのは
志村喬さん演じる古生物学者の山根博士のキャラクターでした。
(ネクタイを直す演出が細かい^^)
この登場の仕方とかけっこう怖いですね。
山根博士が「ジュラ紀の生物だ」と言いますが、
形状からして元は恐竜というのはごもっともやし、
『マイナスワン』がその設定を具現化していたのはよかったです。
深海から怪獣が現れるという設定は
『パシフィック・リム』でも踏襲されていたと思います。
山根博士が古生物学者として
ゴジラをただ殺すことに抵抗感を示すのがよかったですね。
ゴジラは人間が作った原子爆弾によって
安住の地から出ざるを得なかったということで。
それと、水爆の洗礼を受けたのに生存しているゴジラは
研究する価値があるという考えにも説得力がありました。
菅井きんさんが若すぎて、最初気づきませんでした(^^ゞ
ゴジラ=災害という描き方は『シンゴジ』も同じでしたね。
芹沢博士のマッドサイエンティスト的風貌がいいです。
でも、平田昭彦さんが演じることで良い人感は凄く出てるんですよね。
あらためて観ると、芹沢のスタンスは
原爆を人類に対して使用したアメリカへのアンチテーゼにも見えました。
ゴジラが東京の街を破壊する一番の見せ場のシークエンスがかなり長くて、
『マイナスワン』のゴジラ襲撃シーンの短さへの指摘は
本作の影響があるような気もしました。
ちなみにボクは今回の鑑賞では
逆に やや長過ぎる気がしましたね。
ただ、70年も前にこれだけの映像を作っている凄さ、
当時観た人たちの衝撃度を想像したら
やはり凄い見せ場やと思いました。
熱線を惜しげもなく吐きまくりますw
背ビレの表現が『マイナスワン』で進化してたのが面白かったですね。
昔のゴジラ=ミニチュア特撮のイメージが強いですが、
こうやって合成で迫力とリアリティを出したりして、
当時できる技術を駆使して迫力あるシーンを見せてくれるのが凄いです。
ここらへんの地獄絵図的シーンは『シンゴジ』が再現してたと思います。
(『シンゴジ』のDVDを今さらポチッたのでw近々また観ます)
ここらへんのシーンはシリーズものの歴史として
84年版の『ゴジラ』でも印象的でしたが
あれは映画館で観たのに そこのシーンと
なんだかな~‥みたいなスーパーXしか印象に残ってないです(^^;
ココ ど派手に破壊してほしかったなぁ~w
戦闘機のミサイルが全くといっていいほど当たらなかったりしますがww
遠景のシーンで迫力を醸し出してるところが素晴らしいです。
クライマックスは芹沢博士が開発した
液体中の酸素を破壊するオキシジェン・デストロイヤーで
ゴジラを倒す展開になりますが、
ゴジラとの攻防みたいな見せ場はないので
新たに開発された必殺兵器でアッサリ倒すのは物足りないですね。
この点『マイナスワン』は凄く上手く盛り上げていました!
ただ、芹沢博士のキャラがいいのと、
“オキシジェン・デストロイヤー”っていう名前がまずカッコイイですよねw^^
遅くなりましたが←
主役の尾形を演じる宝田明さんの男前なこと!!
まさに昭和のハンサムスター☆って感じで素晴らしいです!
ヒロイン役の河内桃子さんの‘昭和女優’っぽい
可愛らしい演技もよかったです^^
ある意味 三角関係的なところもあるんやけど、
そこは深追いせずにゴジラをメインに据えたところが
本作の人気の高さにつながってると思います。
今回ブログを書くにあたって
あらためてウィキペディアとかで本作のことを調べてたんですが、
もう主要キャストの方たちは亡くなってて、
70年も前の作品やから仕方ないとはいえ
なんか寂しかったですね。
でも、だからこそ こうやって映画がずっと残ることの素晴らしさを感じました。
東宝がかなりの力を入れて製作してるのに
主役のゴジラを完璧に抹殺してるのが潔いと思いましたが(^^ゞ
その後の山根博士の
「あのゴジラが最後の一匹だとは思えない」というセリフで
続編への担保も抜かりない^^
ここで最後に水爆実験への警鐘を鳴らし、
本作のテーマを決定付けてるのも見事です。
今までは風貌的にも芹沢博士の方が印象に残っていましたが、
今回からは山根博士の方が記憶に残りそうです。
『マイナスワン』のラストのあたりでの敬礼シーンに
一緒に観た連れが違和感を持っていたんですが
本作のオマージュシーンでもあったんですね。
初代の本作『ゴジラ』でも
最新作の『マイナスワン』でも
ゴジラが“海から来た生物”というところをポイントにしているのが
あらためて良いと思いました。
海って底知れぬロマンを感じるし、
永遠に続きそうなゴジラ人気は^^
そこに起因している気もしました。