BRIDGE TO TERABITHIA (2007)
昨日の地震のニュースを見た時、関西在住の身としてはもちろん阪神大震災の恐怖を思い出しましたが、
十年前の東日本大震災の時のことをリアルに思い出しました。
阪神大震災の時と違ったのは、世の中がネットでつながる世界になっていた点。
あの時はSNS上で自粛ムードが広がって、自分が好きなことや楽しいことを発信しづらい空気になっていました。
当時ボクはmixiをやっていたんですが、そんな重苦しい雰囲気から脱したい気持ちで観た映画が
この『テラビシアにかける橋』でした。
十年前、この映画で気持ちが救われた記憶があったので、今無性に観たくなって十年振りに観ました。
わかってたハズやのに、最後の20分くらいは涙が止まりませんでした。
(こんなに悲しい映画やったっけ…)と思うほど。
でも、最後にはまた前を向いて行こうと思える映画でした。
だから十年前に観て気持ちが救われたんです。
気持ちが救われたというより、
心が洗われたといった方が近いかもしれません。
貧しい家庭で四人の姉妹に囲まれているジェスは絵を描くのが好きで、空想をスケッチブックに描いてるような男の子。
そのジェスのクラスに快活やけど少し変わり者の女の子レスリーが転校してきて、
お隣同士やったこともあって二人は仲良くなる。
二人は誰も足を踏み入れない森の中に‘テラビシア’という二人だけの想像上の王国を作る―。
ジャケットなどの印象ではファンタジー映画のようで、実際にそういうシーンもありますが、
それはあくまでもジェスとレスリーの空想から生まれたもの。
つまり、子供の頃なら誰しもがやったであろう‘想像して遊ぶ’ということを映像化して見せてくれるので、
本当にファンタジー世界に迷い込んだかのような錯覚にとらわれる楽しさがあります。
誰もが共感できるファンタジー世界ですね(^_-)-☆
でも、本作はファンタジー映画ではなくて、これは少年と少女の友情・初恋物語といっていいです。
だからボクは大好きなんです。
今回久しぶりに観てさらに好きになったのは、
ドキドキする初恋ものにファンタジーものっぽい楽しさを加味しながらも、
現実というものもしっかり描いている点でした。
家庭環境によって子供の境遇に差がついてしまうのは日本でももはや社会問題になっています。
本作におけるジェスの家庭は貧しいながらも温かさがあるので、そういう問題とは一線を画していますが、
それでも子供が働かなくてはいけなかったりする現実は胸に刺さるところがありました。
あと、学校におけるイジメも描かれていて、これもまた 残念ながらいつの時代も無くなることのない社会問題です。
ただ、そういう辛い現実を描きながらも最後にはそこに光を見出してくれるのが本作の素晴らしいところです。
ジェスのお父さんは一見厳しいというか、実際厳しいですが 優しさがあるのもスグ分かるし、
そんな父親が最後にジェスを抱きしめるシーンでは涙が止まりませんでした。
ロバート・パトリックは悪役イメージが強いからこそ、こういう味を出されるともう‥(泣)
イジメといっても本作におけるそれは陰湿な感じはしないのがいいし、イジメっ子とイジメられる子でも、
何かのきっかけがあれば分かり合えるというのが何とも気持ちがよかったです。
『(500)日のサマー』が見事やったズーイー・デシャネル演じる音楽の先生の授業が
みんなで楽しく歌ってるっていうのもいいです♪
ボクが大好きな学園ものの要素もしっかり入っていることをあらためて実感しました♡
あと、ジェスと妹との関係の描き方も、前に観た時よりずっと心に入ってきましたね♡♡
本作のロブちゃんのキラキラ感には本当に目も心も奪われます。
言葉を紡ぐのが上手い女の子というのもいいです。
子供なのに人として大事なことがわかってるんです。
古い固定概念にとらわれるいい大人を見かけることが増えた気がするので、
本作のレスリーにはより感情移入できました♡
ジョシュ・ハッチャーソンは『センター・オブ・ジ・アース2』が楽しかったし、
アナソフィア・ロブは『ソウル・サーファー』も素晴らしかった。
子役時代を知ってる俳優が大人になってもずっと頑張ってくれているのは嬉しいですね。
レスリーという新しい友達ができた喜びと辛い経験を経て、
一番身近な家族の大切さに気づいたジェス。
昨日みたいな大きな地震が起こると、
(明日は大丈夫かな?)
(また大きな地震がきたら死ぬかもしれない)
そんな不安が頭の中から離れなくなってしまいます。
でも、そんな時こそ目の前に大切な人がいることの有難味を感じるものやと
この素晴らしい映画を観て思いました。
「目を閉じればわかるよ」
「心の目は開いて」