THE DRIVER (1978)
これはまだ小学生の頃にTVの洋画劇場で見てハマりましたね~!
本作と『ウォリアーズ』、そして『ストリート・オブ・ファイヤー』がウォルター・ヒル監督の代表作と言っていいと思います。
『48時間』というヒット作もありましたが、ボクの中でのヒル監督といえば断然この3作品ですね!!!
ヒル監督といえば【夜】のイメージ。
そんなヒル監督の個性が一番色濃く出ているのが本作やと思います。
今でこそ『ストリート・オブ・ファイヤー』が一番好きですが、
マセガキやったw子供の頃は本作の方が好きやった記憶があります。
本作のキモはもちろんカー・アクションですが、
プロの逃がし屋〈ドライバー〉役にライアン・オニールを起用した意外性が素晴らしいです!!
ライアン・オニールといえばボクの中ではコミカルなイメージ。
もう少し古い映画ファンなら『ある愛の詩』の甘いイメージがあるはずです。
そんなオニールが寡黙なドライバーを演じるからこそ なんともいえないインパクトがあります。
他の作品ではこういう彼を見たことがないから、なおさら《孤高のヒーロー》のような存在感がある。
甘いマスクのオニールに対して、〈刑事〉を演じたブルース・ダーンの何とも言えない渋さがまたいい!!
そこに、公開当時まだ23歳やったとは思えないイザベル・アジャーニの唯一無二の美しさが添えられたら
それは最高のアンサンブル。
イザベル・アジャーニみたいな女優さんは他には思い付かないですね。
今思うと、彼女にボンドガールを演じて欲しかった気もします。
オニールが演じる〈ドライバー〉の プロフェッショナルに徹したカッコよさ!!
そこに謎めいた美女が絡んでも、作品のトーンは決して甘くはならない。
あくまでも 夜の街でうごめく‘男’と‘女’でしかないのがいい。
感情を排したようで、しかし そこにそれぞれが背負っているものが、さりげなく感じられるのがいい。
(これは↑いかにも70年代アクションって感じですね)
本作のカー・アクションの見事さは、派手なクラッシュとかではなく
車載カメラの映像の臨場感を抜群の編集テクニックで見せ切っているところ!
車の前後に付けたカメラの映像を完璧につないでいるので、そのチェイスの臨場感が最高!!
本作における“夜の街でのカー・アクション”は もはや芸術の域に達しているといっていい。
CGが一切なかった時代のカー・アクションは、今見るからこそ 本当に楽しいし、凄い!!!
車を使って、まるで西部劇のような《対決》を魅せるところもヒル監督らしい。
クラッシュシーンのキレもピカイチ!!
〈逃がし屋〉と〈刑事〉は反目し合う関係には違いないけど、
この二人がお互いを〖プロフェッショナル〗と認めているような感じがあるのがいい。
だから、こんなスマートなエンディングになる。
決して甘いエンディングではないけど、そこには他の映画ではいまだに味わったことのない余韻がある。
このエンドタイトルの音楽が、子供の頃から耳から離れないのは、
この映画にしかない味わいを、まだガキだったボクも感じていたのかもしれません。
昔は宣伝コピーもプロフェッショナルやったな^^