『脱脱脱脱17』 ブログ④
【ネタバレも含みます】
予告映像から振り返ります
リカコ(北澤ゆうほ)の家出?に付き合うことになったノブオ(鈴木理学)
二人の珍道中が始まるのかと思いきや?!ww
ストリップ劇場に留まることになる展開が意外で、面白かったです!
しかも、昭和から完全に取り残されたような、田舎のストリップ劇場w
二十代の頃に、会社の慰安旅行で同僚らとノリで行ったことあるんですが(^^ゞ
その時の劇場以上に昭和臭プンプンな小屋で、
(こんな劇場 まだあるんかな?) (かなり 低予算のハズやけど、わざわざセット作ったんかな?)とw
観ながら、本筋とは関係ないことを考えてしまいましたww それくらい現代とは思えない劇場でした^^
それに 監督が現役女子高生やのに、女性の裸がフツーに出てくる、しかも昭和のサビれたストリップ劇場をリアルに描いていることに驚きました。
パンフレットのコラムで松本花奈監督が、
「‘精神的に脱ぐということ’を描く中で、‘身体的に脱ぐ’ことも描くのは自分の中で必然」とのようなことを書いていて、読んで納得したんですが、
まさに人生の酸いも甘いも嚙み分けてきたような女性たちが働く劇場に放り込まれたリカコとノブオが
そこで過ごすことによって、自身の中の ある種の‘若さ’から脱するキッカケになるという展開が素晴らしくて、それを確信犯としてやった、脚本も書いた松本監督は、間違いなく学生とは思えない手腕。
ボクが行ったストリップ劇場の呼び込みは もうオバアちゃんくらいの歳の女性がやってたんですが、
その女性がステージにも登場してきた時は;^^ 凹みつつもw 人様に体を晒して商売しているだけあって
裸はとてもキレイで、帰りの道中 同僚や上司らと 「体を張って生きてて凄いな」と、しんみりホテルまで帰ったのをいまだに鮮明に覚えています(^^ゞ
そんな姿を目の当たりにしたノブオとリカコが、自分たちが気づかないうちに、大人としてのワンステップを踏んでいたという物語が本当に素晴らしかったと思います。
それは観ている間より、観終わって、昔行ったストリップ劇場でのことを思い出しながら^^
シミジミと感じることができましたね。
最初は嫌々いたハズやのに、ノブオとリカコが‘非日常的な’世界を楽しんでる感じもよかったですね♫
しづこを演じた佐倉萌さんはピンク映画で活躍されているということで、さすがのステージでした(*'-'*)
その娘マリアを演じた祷キララちゃんが 凄く雰囲気のある女優さんで、この母娘の登場で、
物語に厚みが増して、さらに味わい深い作品になりました。
リカコと母親、マリアとしずこという二組の母娘を描いた松本監督は、自分も娘の立場として 親子関係というものを描きたかったのかもしれません。
母と娘って、良くも悪くも?w 父親には入り込めない関係性がありますからね(^^ゞ
ノブオが‘応援’を17年間続けている理由が分かってからは、映画のトーンがいい意味で変わってきます。ただのヘンなwおじさん高校生には見えなくなる。
そこに 自分自身を投影する ボクみたいなオッサンもwたくさんいると思います。
いつまでも高校生をやってるノブオのことを 少し上から目線で面白おかしく観ていた自分が、
いつのまにかノブオの気持ちとシンクロした時、
この作品は自分の中で本物の〈青春映画〉になるんです。
「ノブオさんの応援って 結局 一方通行なだけだよ!」
痛い言葉ですが、ノブオが大人になるきっかけを、リカコが間違いなく与えたと思えるし、
逆もまたしかり。
愛すべき二人の物語はまだ続きます―✑