『 IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』 全国公開中
『エクソシスト』が四十年以上も守っていた【ホラー映画世界興収ナンバーワン】の記録を遂に、しかも大幅に抜き去った、文字通り【史上最高のホラー映画】となった本作。
ここまで社会現象化したホラー映画は『スクリーム』以来二十年振りと個人的に思うので、
『スクリーム』の公開当時の興奮を昨日のことのように覚えているボクにとって、久々にワクワクして観に行ったホラー映画でした!
敢えて内容の情報は仕入れずに観に行きました。
分かってたのは 不気味なピエロが出てくるってコトくらいw
監督を務めたアンディ・ムスキエティのことも全く知らなかったので出来は未知数。
原作がホラー小説の第一人者 スティーヴン・キングであるところが期待できる要素でしたが、
キングが原作の映画は微妙なものも多々あるので半信半疑な気持ちもありました。
もちろん、歴史的な大ヒットをしていて評判もよかったので期待感は持って迎えた上映開始―
‘NEW LINE CINEMA’のロゴに期待感が高まりました!
ここは『エルム街の悪夢』『ファイナル・デスティネーション』シリーズなどを生み出してきたので、ホラーファンとしては信頼のおける映画会社なんです。
【一部 ネタバレも含みます】
まず、映像の素晴らしさに心奪われました!
それは 美しいとかスタイリッシュとかいうのではなく、映像に‘格’を感じたホラーは『スクリーム』以来で
しかも それをも超えている。
だから、ホラー映画として怖いかどうかはさほど気にならず、本作はまるでドラマやサスペンスを観ているようでした。
その堂々たる映像を観て(この監督何モンや?!!)とゾクゾクしたほどです。
少年たちが主人公なので、同じくキング原作の『スタンド・バイ・ミー』を連想した方も多かったと思いますが、ボクは映画館で観てたんですが、満席で一番前の席しかとれず、近過ぎるスクリーンを見上げて苦痛やった記憶しかありません;^^
ただ、あの作品にはヒロインがいた記憶がボクにはない。
その点 今回の作品には魅力的なヒロインがいて、しかも添え物には終わっていないところが凄くいい!
ソフィア・リリスちゃんは 一見 ブサイクに見えないこともないですが、(昔 こういう女優さんがいたような?)みたいな懐かしい風貌で親しみを感じることができたので、なんか 可愛く見えましたね^^
昔の女優さんを彷彿とさせたのはおそらく偶然ではなく、本作の舞台は1988年なので、男の子たちもいわゆる今どきの子っぽくない、80年代に居たような雰囲気の子役たちを集めたキャスティングのセンスが秀逸。
もちろん 本人たちの演技力によってその雰囲気は完璧なものになったワケで、子役がこれだけたくさん出てて、全員キャラが立ってたのが凄いと思いました!!
子役が主役でここまで全員見事に個性があるアンサンブル映画は観たことがない!
本作は【ホラー映画】といいうより【青春映画】といった方がよいくらいの作品で、そういう点も『スクリーム』を彷彿とさせてくれたのは嬉しかったんですが、
決定的に違うのは、その 恐怖の対象。
本作のピエロは明らかに現実のものではない。
面白いのはその表情や動きに、本物のピエロのような道化師のような雰囲気があること。
だから ジリジリした恐怖の中にも フッと笑ってしまう瞬間もあって、そのサジ加減が絶妙!
今まで観て来た幾多のホラー映画も、真に優れたホラーにはユーモアのセンスがあった。
そういう点でも本作は極めて優れたホラー映画であると断言できます!!
まるで青春映画みたいやからといって怖くないワケではもちろんありません。
ボクは久しぶりに声を出してビビッてしまいw連れに笑われましたww
しかし、本作はこの頃のホラーにありがちな 目を背けたくなるようなゴアシーンはない(一箇所 なかなかキツいシークエンスはありますが)ので、ホラー映画が苦手な方にも是非観て欲しいです!
トンデモナイ展開と描写で後味も悪いホラー映画が増えてきたような気がするし、それはそれで面白いんですが、ホラーのそういうところが嫌いな方にこそ本作は観ていただきたいです。
この子たち全員が将来スターになってもおかしくないくらい皆輝いていました。
スターを輩出した作品として、本作がいずれ語り草になることは間違いないでしょう。
ここで描かれる恐怖は正に“自分の心理の奥底にある恐怖”。
だから それに打ち勝つのも自分自身の心の強さなんです。
映画史に残る傑作を
映画ファンならスクリーンで見届けましょう!!