エルム街の悪夢 ザ・リアルナイトメア
Wes Craven's New Nightmare(1994)
8月30日、仕事の休憩中にツイッター見てたら、ショックなニュースが目に飛び込んできました。
ホラー映画の大傑作『スクリーム』シリーズ全4作の監督を手掛けたウェス・クレイヴン監督が亡くなったとのことで、享年76歳。
年齢を聞くと、仕方ないかな、とも思いますが、
最後の監督作となった『スクリーム4』でも相変わらず見事な手腕を見せてくれていただけに残念です。
脳腫瘍を患っていたとは知りませんでした…。
追悼の意味も込めて、何本か持っているクレイヴン監督作のDVDを観たいと思いましたが、
数年前に買ったまま観てなかった、クレイヴン監督の代表作『エルム街の悪夢』最終作にして、
なんと!クレイヴンが本人役で出演を果たしている『ザ・リアルナイトメア』にしました
なぜクレイヴン監督が本人役で出演しているのかというと、
本作は前作までのシリーズを現実にあった“映画”という設定にして、
フレディ役のロバート・イングランドもロバート本人役で出演させているんです!
つまり、今までのシリーズを“映画”だったとすることによって、その出演者や監督たちが
現実の悪夢=リアルナイトメアを見るという大胆な設定にしているワケです!
しかも、自然現象である地震をストーリーに組み込むことによって
ますます夢と現実の境を曖昧に見せているところが秀逸!!
脚本も書いているクレイヴンの才能が遺憾なく発揮された、シリーズ中でも屈指の傑作になっています!!
1作目をベースにしているので、ナンシー役のヘザー・ランゲンカンプや その父親役のジョン・サクソンが
本人役で出演しているのが、シリーズのファンには嬉しいところ。
そういえば、ボクは『2』を除いて、6作目まで全て映画館で観たのに、
この7作目は日本では劇場公開されず、深夜のTVで観た記憶があります。
本国での興行成績が振るわなかったとはいえ、人気シリーズで しかも 作品の出来がいいんやから
公開してくれなかったことを恨みましたよ。
20年前からホラーに冷たかったんやな…、日本の配給会社は。
しかし、そんな流れを断ち切ったのがクレイヴン監督の『スクリーム』だったのです!!
常にホラー映画界に革新をもたらし続けたクレイヴン監督には本当に楽しませてもらいました。
『スクリーム』新三部作構想を誰かが引き継ぐか、
期待外れに終わった『エルム街の悪夢』のリブートを誰かが作り直してほしいと個人的には思います。
まぁ それらが無くても、彼の傑作たちは永遠に生き続けるからそれでいい。
この『リアルナイトメア』では、ホラー監督としての彼の作家性も垣間見れるのが非常に興味深いです。
フレディを古代からの怪物になぞらえたり、
それを踏まえたフレディの最期のシーンなどは、これまでのシリーズにはない面白さ!
自身の悪夢は自身の作品で終止符を打つ(!!)という展開は
稀有な映像作家 クレイヴンだからこそ成せる技だったといえるでしょう
シリーズ未見の方でも
『1』→『3』→本作の流れで観たら楽しめると思います。
本作を観た後では、傑作の誉れ高い1作目も伏線でしかない?!のが面白いです。
彼の物語は永遠に語り継がれることでしょう。