Martha Marcy May Marlene (2011)
前々から気になりつつも見る機会がなく、
公開中の『GODZILLA』で初めての御対面!?^^となったエリザエス・オルセン!
映画ファンの間ではすでに評判になっていた彼女でしたが、
その評判に違わぬ 素晴らしい女優さんであることが分かったので
彼女の主演作のDVDを観ました!
まず、セリフもなしに、映像だけで 主人公が置かれた状況を観客に伝える演出がいいです!
ボクはナレーションで説明する映画がキライやから、本作の冒頭は理想的。
あれこれ説明されると受け身になってしまうけど、それがないとスクリーンに集中し、
映像から意味を読み取りたくなるものです。
この導入部分だけで、本作が長編デビュー作のショーン・ダーキン監督の才能が見てとれます。
ボクはラストが少し食い足りない印象を受けてしまいましたが、
そのラストを絶賛する声も多いようなので、好みの問題ですね。
本作が映画初出演の初主演のはずのオルセンですが、
それが信じられないような素晴らしい演技です!!
しかも、オーバーなアクションはほとんどない、静かな演技で見せ切る難しい役どころで、
彼女の演技力が本物であることがよくわかります。
オスカー女優の新たな候補になることは間違いないでしょう!
オスカーといえば、『ウィンターズ・ボーン』でオスカーにノミネートされたジョン・ホークスもさすがに上手いです!
『ウィンターズ・ボーン』ではジェニファー・ローレンスばかりが話題になった感がありましたが、
ボクはホークスの演技が印象に残りましたね。
もっと 注目されるべき俳優さんやと思います!
本作はいわゆる一種のカルト集団のようなものを描いていますが、
その集団が明確に“悪”には見えないのが面白いところかもしれません。
コソ泥みたいなことはやりますが、なるべく自給自足の生活をしようとしているように見えるし、
自然の中でのんびり過ごしているようにも見える。
被害者であるはずの女性もこの生活に納得しているから、それが洗脳まがいの犯罪行為であっても、
‘犯罪集団’というほどではないように見える。
だから、本作の怖さはこの集団にあるわけではなく、
一度こういう集団に属してしまった人間が、なかなかその呪縛からは逃れられないというところに
本作が描こうとした本当の恐ろしさがあったように感じました。
全編ほぼスッピンみたいなメイクのオルセンは地味ですが、不思議な魅力がありますね!
ちょっと余談ですがww
義兄を演じたヒュー・ダンシーは
オルセンはほどよく?!エッチな感じがww男心をくすぐります(〃∇〃)
このブログを書きながら、いくつかのシーンを再見してたんですが
本作はシンプルでありながら、何回か観ると新たな発見がありそうな気がします
集団から逃れて姉夫婦と過ごすようになったマーサが
知らず知らずのうちに 集団生活の時と同じ行動をしてしまい、
それが 姉夫婦や観客から見たら奇異に見えるところが、本作のキーポイントかと思います。
巧みな編集によって、その恐ろしさをさりげなく演出しているところが見事です!!
一度そういう世界に入り込むと、そこから完全に抜け出すことが困難であることの恐ろしさ…。
しかし、ストレス社会の現代においては、なにかのきっかけでマーサみたいになる可能性は誰でも秘めているような気がしてしまう怖さ…。
この字幕の【涅槃】という言葉を初めて聞きましたが、意味を調べると―
煩悩の炎の吹き消された悟りの境地。究極の理想の境地。悟りの世界。
という意味だそうです。
日々の生活から逃れ、理想とする境地に行きたいと願う 誰もが陥る可能性がある 恐ろしい世界。
そんな、ある種の危険は実は意外に身近にあり、
それらは巧みにボクらを誘惑してくるかもしれないという恐怖。
本作のリアルなサスペンスの描き方は、映画ファンなら観る価値があると思います。
エリザエス・オルセンはまだ25歳!
しかも、『GODZILLA』で夫婦を演じたアーロン・テイラー=ジョンソンとの姉弟役
これまでは地味な印象が強かった彼女ですが、
実はけっこうな美人さんです(*^.^*)
意外に プリンセス役なんかも似合いそう