無口が通る曲がり角 | Pip-tale

無口が通る曲がり角

 “この時間になったら向こうから歩いてくる、大きな大きなのっぽの男。
 無口で、真っ黒だけれども、とっても良い奴さ!”
 角の店の、店主が言った。

 この時間、この空間にしか姿を表さないその男。
 この空間だけが映し出した幻なのだろうか。
 それとも、こっちが幻なのか?
 それとも店主含め ここ が幻なのだろうか…
 
 …今となっては誰もわからない、夕暮れ時のできごと。 
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