先日、2020年第1弾シングル「NEU year's Hi!」をリリースし、2月8日には武蔵野公会堂でのワンマンコンサートを控えたHi,how are you?の原田晃行さんにインタビューを行いました。
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-分かりました!今日はどうもありがとうございました。
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まずはインタビューのBGMとしてこちらを
-最新シングルは、新しい試みとして打ち込みを導入した「恋の賽銭泥棒!?」、京都時代に回帰したような「Autumn pageant」、リーダー作「あわゆき」と3つの面を持った形になりました。次のアルバムはこの3パターンで構成されると考えてよいのでしょうか?
原田:曲のパターンとしては大まかそんな感じですね。まだ詳しくは言えませんが、なんらかのコンセプトアルバムにする予定で、リーダー曲も何割かを占めることになるかと。
-一部ではSPARKSになぞられて「機嫌予報図」が「KIMONO MY HOUSE」、「Shy,how are you?」が「PROPAGANDA」で、いよいよジョルジオ・モロダー期に入るのでは?と言われていますが。
原田:ダハハハ!その捉え方は面白い!モロダー的プロデューサーがいたら本当にそうなるかもしれませんが、とりあえずは先程言った方向で行くと思います。
-このシングルでまず触れなければいけないのが「恋の賽銭泥棒!?」だと思うのですが、トラックはガレージバンドのみで作ってるんですよね?
原田:そうなんですよ。アルバムではもう少し機材増やそうかと検討してるんですけど。
-トラック制作にあたって参考にした楽曲とかはあったんですか?
原田:92、3年くらいのR&Sの音源は聴き込みました。CJ BOLLANDとかDAVE ANGELとか意外に速いじゃないですか。
-SOURCEも速いですよね。
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(そう言えば3人とも顔ジャケ)
原田:「無理にでも笑って 駆け抜けて行くさ!行くぜ!!」というのがテーマとしてありまして、あの辺の疾走感は研究しました。
-柴田恭兵「ランニングショット」の歌詞ですね。結局の所、Hi,how are you?が表現したいのは柴田恭兵なのでしょうか。
原田:当然です!そもそもHi,how are you?は柴田恭兵と舘ひろしのレコードが廃盤だから、自分達でそれに匹敵するアルバムを作ってやろうじゃないか…という事で結成に至ったわけですから。
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(かっこよすぎるDAMNED結成の動機)
-曲の骨格となっている部分には「ぴゅあしゃい」を踏襲した雰囲気を感じます。
原田:そうかも知れないですね。イメージ的にはSHOCKのTHIS GENERATION'S ON VACATIONのようなあっという間に終わるポップソングを意識しました。
(ロンドンナイトでもかかりまくってた名曲)
-つまりR&SとSHOCKを交ぜた結果、出来たのがCARTER USMだったと。
原田:CARTER USM彷彿しました?なら成功ですね。リーダーやミックスをお願いした馬場さんに送った参考楽曲リストのトップにCARTER USMは入れてます。
(原田さん曰く「一辺倒に押し通す打ち込みと歪んだギターに美学を感じる」)
-そのリストには他にどのようなのが?
原田:MEAT BEAT MANIFESTOやLFO。DAM FUNKとNEW EDITIONも入れましたね。
-リズムが入ることで、例えばDAM FUNKのような隙間ある曲を作ることも可能だったと思うんですよ。でもこの曲では完璧に隙間を埋めてきました。
原田:たまたま初めて手掛けた曲がBPM200で速めだったのでこうなっただけです。今後はニューロマンティックス的トラックも考えてますよ。
-ここ数ヵ月、ニューロマンティックスに興味が行ってますね。
原田:メイクとかやってみても面白いかなと。昨年の全感覚祭でSUMMERMANのたけこし君に会ったらゴスメイクしてて、やられたなって。じゃあ「こっちはニューロマだ!」みたいな。
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(伝説となった2019年の全感覚祭より)
-この曲のプロトタイプを聴かせてもらった時はDAMNEDから盗用したリフがメインでしたよね。そこからシンセのリフとギターのリフが同時に疾走する異常なインパクトを持つイントロに進化しました。このアイデアは?
原田:ある程度の土台を僕で作って、あとはリーダーに投げたので、シンセの入るタイミングやフレーズはリーダーですね。
-このド派手な音色も?
原田:リーダーです。痛快なりゆきバンドと言われてますから。もう転がる方向に任せて。
-ギロから始まるのは最初から決めてたと伺ってます。
原田:THE Shangri-LasのIS SHE REALLY GOING OUT WITH HIM?から始めるアイデアもあったな。
-先程、馬場さんに参考楽曲をリスト化して送ったとおっしゃいましたが、ミックスは原田さんのイメージ通りに?
原田:当初意図してたものからは大分離れましたが、それもまた録音の醍醐味な気がするので面白い出来になりました!
-そう言えば音が小さいんですよね、CDだと。
原田:それ、ちょっとやらかしちゃいました。理由は大きく2つありまして。1つは時間と予算の関係でマスタリングをいつもの山本アキヲさんに頼めなかった。もう1つは、他2曲に音量を寄せた結果「恋の賽銭泥棒!?」が小さくなってしまった。
-あ~なるほど。「恋の賽銭泥棒!?」と他2曲とで音量が違うような錯覚を覚えたのはそれでなんですね。
原田:録り方が異なる場合のマスタリングの妙、今回よくわかりましたね。反省と勉強です。スタンリー・キューブリックの「完璧な物を作れ。出来ないならそれは無しにしよう」という言葉があるじゃないですか?
-「2001年宇宙の旅」の美術スタッフに言ったキューブリックの完璧主義を象徴する言葉ですね。
原田:Hi,how are you?の場合は「出来なかったらいいですよ。そのまま出しますので」ですから。今回はそこが悪い方に出てしまいました。ただアルバムに収録されるときは確実にアキヲさんに頼むことになると思うんで、そんときは打ち込みの音量もがっつり上げたミックスになると思います。
-あと疑問に思ったのはカラオケver.が入っているのに歌詞カードはありませんよね?
原田:昔、嘉門達夫さんの新曲がラジオで先行解禁あった時、聞き取っては紙に歌詞を書き写してたんです。そんなことをする人が出てきたらいいなという淡い期待を込めてですね。
-嘉門達夫と言えば「ラジオ DE ごめん」!原田さとみが可愛くてね。あの番組がアシスタントにちょっと天然な女の子を置くスタイルの雛形になったと思います。
原田:ふ~ん。で?
-このシングル、巷の反応はいかがでしょう?
原田:基本的に最近、皆CDやライブの感想をSNSで書かなくなったんですよね~。
-確かに減りました。
原田:そんな中でも「あわゆき」はかなり感触いいですね。リーダーは長年ピアノ習ってきただけあって僕が全く把握できないコードを多々使ってて面白い。
-「あわゆき」はリーダーからHi,how are you?というバンドへのラブソングのように感じました。
原田:晃行(あきゆき)と一文字違いの「あわゆき」という曲名。更に歌詞に「夢でバッタリ」というフレーズが出てきますからね。妙に意識してしまって僕の牛スジが!
-以前、原田さんは宮古でのミーティングで「はっぴいえんど~ナイアガラに心酔してる人が心底苦手」と言ってましたが、その言葉は「Shy,how are you?」と「NEU year's Hi!」を分かりやすく説明している気がします。
原田:そういう人達の好みと対極のものが出来ているのであれば、それは自分が目指すポップスとして成功してると言えるかな。
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(宮古の鍋料理は絶品!)
-「Shy,how are you?」がアナログ化されましたよね。その際のツイートで「フォーク」という言葉を使っているレコード店が幾つかありました。これ、活動初期からある誤解だと思うのですが。
原田:初期の頃に、あるレコード店が書いたレビューの悪影響です。
-レコード店のレビューって他店のものが伝染していきますからね。
原田:ただTHE FOOLやTHE FUGSをフォークというのであれば、あながち間違いでもない気はします。
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(2枚とも宮古ミーティングスの古典とされている)
-あくまでもビザール・テイストを持ったもの。
原田:嘉門達夫さんもね!もう1つ言わせてもらうとHi,how are you?を「ハイハワ」と略するのも勘弁して欲しい。各メディア、レコード店の皆様、略称は「ハワユー」でお願いします!
(この問題は宮古ミーティングスのグループDMでも議論された)
-対メディアだと悪いことだけでもなく、最近ではナタリーの渋谷系に関するアンケート企画に回答者として選出されたというのもあります。
原田:渋谷系のヤツはありがたかったです!
-正月のお好み焼き屋でもこの話で盛り上がりましたね。
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(原田さんは、お好み焼き・もんじゃ焼き・ジャンボ焼きそばを平らげた後「ファミレスも行きませんか?」と言っていた)
原田:CORNERSHOPを入れれば良かったとか。BEATS INTERNATIONALもあったとか。CLOUDBERRY JAMは直前まで入れるの迷ったとか。
-なんといっても後期~アフター渋谷系において重要なのが…
原田:STOCK,HAUSEN & WALKMAN!!
-リアルタイム組としては「リスナーがベビーブーム世代」「当時は中・高生のクラブの出入りが緩かった」というのも重要だと感じています。
原田:ふ~ん。で?
-フリッパーズギターの二人がニューロティカを褒めてたことを知らない人にはニューロティカの曲名である「チョイスで会おうぜ」というプレイリスト名の意図が伝わらなかったようで。
(COBRAが居なければ「今夜はブギーバック」は生まれなかったかも?というのは有名な話)
原田:とにかくニューロティカの「路蕉狼琉狂走曲」を選曲出来なかったのが心残り!
-90年代リリース限定ということで80年代の曲は、はじかれたんですよね。
原田:よく考えれば「OH!忙し」なら1990年で良かったんですよ。あのサビが2つも3つもある構成はヤバイ!
(この曲は本人逹も出演したさくらやのCMに歌詞を一部変更し使用された)
-こういう依頼があったのも数々の引用ネタが評価された部分はあるんじゃないでしょうか。
原田:2月8日の武蔵野公会堂のフライヤーで10ccの「びっくり電話」をやりまして、これも好評をいただいております。
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(原田さんはリーダーがカラオケに居るのが気に入っているそう)
-よく「飲みの席での話を実現させるやつは信用できる」と言いますがテルマー湯での雑談を本当にやってしまいましたね。
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(新宿テルマー湯の食堂は麺類が充実)
原田:描いてくれた黒木雅巳さんは共通項も多く割とツーカーだったので話は早かったです。実はANNIE HASLAMの「不思議の国のアニー」を元ネタにする話もあったのですが、アー写との相乗効果も考えてあの仕上がりになりました。
-「不思議の国のアニー」ってROY WOODが芋虫になってるやつ?
原田:ええ。あれを僕がブタになってるという形で。
(プロデュースは勿論、カバーアートもROY WOODによるもの)
-そもそも武蔵野公会堂でやる話が出たのは2018年の秋くらいだったと記憶してるのですが。
原田:そうですね。そこから抽選とかあったりして。
-数あるホールの中で武蔵野公会堂を選んだのはどうしてなのでしょう?
原田:キャパ的な部分とか。あと吉祥寺がドラマ「うちの子にかぎって…」の舞台となった町だからというのも大きいですね。とても影響を受けているので。
-「あわゆき」のPVも吉祥寺ロケ?
原田:はい。リーダーと偽デートみたいな。「さまぁ~ぎふと」を出した辺りかなぁ?よく野外調教されてたんですけど、その頃を思い出しました。
(二人の距離感は「うる星やつら」の三角関係が解消してからのあたるとしのぶの関係に近いと度々指摘されている。このPVはまさにそんな雰囲気)
-フライヤーの「びっくり電話」もそうですし、PVにも出てきますが、電話というのはHi,how are you?の中でアイコニックな存在としてある気がします。
原田:そんな曲もままありますからね。二人組という点や曲の中で通底してる一対一な感じも≒電話と捉えられると思います。まあ、僕は電話よりもタバコのフィルムを使った無線でやり取りする事が多いですけど。
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(!?)
-予行練習と銘打っていた咋年末KISSA BOSSA UMINEKOでのワンマンではかなりレアな曲も披露されてました。「ゴーストワールド」などは「高校生の頃に作った曲なので恥ずかしい」と言ってましたが心がわりがあったのでしょうか?
原田:ギグに来てくれる人が「あの曲やらないんですか?」とたまに聞いてくれるのですが、「ゴーストワールド」はその率高いのでやってもいいかなと。武蔵野公会堂はベスト&レアリティーズ的選曲で楽しんでもらえたらと思います!
-演奏するのが楽しい曲とかってやっぱりあるんですか?
原田:「空気人形」ですね!あれはコードの動きがやってて気持ちいいんですよ。ライブ前にする空気浣腸はもっと気持ちいいですが。
-武蔵野公会堂はグランドピアノがあるそうで。
原田:そうなんです!二台あるみたいなんでBEN FOLDS FIVEのライブみたいな仕様にしても良いんですがね。リーダーの鍵盤捌きを是非動画に収めてください。
-ああ!動画撮影もOKなんでしたね。
原田:むしろ推奨してます。「ハワユーの撮られっぱなし天国」と題して後日動画をまとめて何かしらの形にするので心して撮るように!
-では最後に、先日改名したキーマカリーズのメンバーにひと言お願いします。
原田:許否します!
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(キーマカリーズのゴツローさんも武蔵野公会堂に駆けつけるという)
-分かりました!今日はどうもありがとうございました。
原田:2月8日武蔵野公会堂でいい夢見ようぜ!アバヨ!!
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