今回はHi,how are you?の原田さんに平成最後のインタビューをDMにて行いました!
-この間、テルマー湯で理想のアルバム曲数とトータルタイムの話をしたじゃないですか。曲数が奇数だとデザイン的にかっこいいとか。具体的にこのアルバムのボリュームが良いというのありますか?
原田:最近思ったのは毛ガニ率いるサザンオールスターズの「人気者で行こう」ですね。13曲とやや多めですが中盤3〜8曲目にいい曲、目白押しなのがアルバムとして素晴らしいなと。
-流れとしてもという事ですね。Hi,how are you?のアルバムもあらかじめ曲数決めちゃうって言ってましたもんね。
原田:僕らは11曲35分以内がベストかなと。一曲は4分以内が鉄則と思ってます。THE SPECIALSの「MORE SPECIALS」 が11曲アルバムの中では理想に近いです。
-値段も中学生が買えるくらいの¥1500前後というのが拘りで。
原田:そうですね!ユニオンで中古が200円で出てたと聞いた時もどちらかと言うと嬉しかったです!行くべき人のとこに行ってくれたらいいなと。
-原田さんは中学生の頃に得た体験で今に繋がるような事はありますか?
原田:音楽的な体験だと小学校の卒業祝いでMDコンポが自部屋に導入されたのがでかいです。コンポを買ったその日に父が二枚CDを貸してくれたのですが、それがクイーンのベストとRCサクセションの「EPLP」でした。
-「EPLP」の1曲目「わかってもらえるさ」、つまり初めて聴いたRCの曲をカバーアルバム「Hi,ppopotamus how are you?」の1曲目にしたのは有名なエピソードですね。
原田:当時はとにかくTSUTAYAでCDを借りてMDに落とすのが楽しくてしょうがなかったです。
-最近ですとSIGUE SIGUE SPUTNIKの話によくなりますが。
原田:令和の自分のキャッチコピーは「見せびらかしましょう」で行こうかと検討しています。
原田:無意識に自分が心がけているところな気もします。ギターは自分にとって打楽器でもあると思っています。そう、ギターとリズムでギタリズム!
-SIGUE SIGUE SPUTNIK同様にスタンリー・キューブリックの映画なんかもそうですが、余白が与えるイマジネーションって大切ですよね。何か隙間がかっこいいバンドで浮かぶのありますか?
原田:最近の好みだと、ドアーズなんですよね。鍵盤とベースの絡み方が参考になったりして。あと、パッと思い浮かぶのはポストカード期オレンジジュース、モノクロームセット、2人時のT.REX、つまりティラノサウルスレックスです。
-Hi,how are you?は音楽以外からフィードバックされる事柄が他のバンドに比べて特異性を持ってるような気がします。どういったカルチャーから影響があったりするのでしょうか?
原田:仲村トオルですね!仲村トオルの危険スタントには畏敬の念、大です!
-ビーバップハイスクールの一作目での電車シーンですか!
原田:他にはテレビ番組(バンホーテンの歌詞に使った「明石家サンタ」など)からの影響が大きいのですが、その中でもテレビアニメからの影響は強いと思います。小学生の頃、居間のテレビがケーブルテレビにつながってたので、キッズステーションというアニメ専門チャンネルをほぼ毎日見ていました。そこで「うる星やつら」や「らんま1/2」などの高橋留美子作品、「おそ松くん」などの赤塚作品、タツノコプロ作品なんかを見ていて、それらのポップなギャグセンは自分の今の趣向に刷り込まれてます。
-USヒップホップの人達とカンフー映画の関係に近いですね。
原田:後に岡村靖幸を知った時、とても漫画的だと思いましたし、「きまぐれオレンジロード」なんかを後追いで読んだときには岡村靖幸的だと思いました。
(「きまぐれオレンジロード」より)
-私なんかは原田さん自身が高橋留美子のキャラ、もっと言ってしまうと諸星あたるや五代裕作と重なって見えます。「うる星やつら」も「めぞん一刻」も特定の人物との恋愛を描いてはいるものの、とどのつまりは関わった人物、皆があたるや五代君を好きだったという話じゃないですか。男女関係なく恋愛感情とは別に。そういう人柄、環境にあるな、と。
原田:それは嬉しいですね!あたるや五代の髪型は取り入れたいのですがあの独特の毛量は再現がなかなか難しいです。
-その高橋留美子の影響もあり、楽曲におけるラブコメ要素は3rd「にこいち白書」辺りから顕著になって、ソロ作品「MY PLATONIC VALENTINE」で拍車がかかった様な印象があります。本人的にはどうなのでしょうか?
原田:2ndの「さまぁ~ぎふと」まではその数ヶ月間の出来事や幼少期の記憶を曲にする事に興味があったのでそんな内容だったんですが、3枚目以降はその引き出しも減って行くと同時に、ラブコメ的な素っ頓狂なシチュエーションを曲の中で無理矢理成立させることに興味がむいていったというのはあると思います。
-先日、レコーディングされたオリジナルアルバムとしては5枚目になる「横恋慕」(仮タイトル)のラフミックスを聴かせていただきましたが、その路線でぶっちぎってますね。
原田:構想中の次々作もまさにそんなアルバムなのでほんのり期待してもらえましたら!
-既にリーダーから指令が来てるわけですね。
原田:さらに構想中の次々次作は「1stのような直球なやつ!」というイメージもあるそうです!
-5thの話に戻りますが、カラフルですよね。過去最高に取っつき易い印象を受けました。
原田:その感想はリーダーも歓喜するかと!「うる星やつら」の初代ED曲「宇宙は大ヘンだ!」や有頂天「カラフルメリィが降った街」のようなアルバムを目指しました!
-小林泉美 meets 小林一三!
原田:WEENもやや意識しましたね。
-BPMの数値的なのとは違うテンポの良さも感じました。SPARKS「PROPAGANDA」のような。
原田:なるほど、それはタンバリンやカウベルなどの打楽器の導入も関係あるかもしれないです。小気味よくなったというか。
-今後も様々な楽器を取り入れる予定はあるのでしょうか?
原田:リーダーが既にサックスを購入し、習いに行ってます。
-おお!ROXY MUSICですね!!
原田:いえ、イメージしてるのはチェッカーズです。「うちの子にかぎって…」の世界観を何とか表現したくて。
(チェッカーズの楽曲がふんだんに使用されたドラマ「うちの子にかぎって…」)
-風呂場などでの録音が毎回独特で、初期にはlo-fiという括りで語られる事もありましたが、やはり普通じゃない音質でというのは拘りなのでしょうか?
原田:自分が低予算で録られた音や、やや曇った音が好きということだと思います。前述の隙間の話にも通じてきますが、ダニエル・ジョンストンのラジカセ直録りの音だったりTHE FLYING LIZARDSの段ボールドラムの音だったりは自分にとってはRAW VIBEを感じるいい音なんですよね。かといってただ雑な録音がいいという訳ではなく、演者の意思だったり環境だったりが録音にあらわれてるものが好きなんだと思います。だから自分達も現状で出来るだけの工夫をCDに落とし込めたらと思っています!
-そこでHi,how are you?にとってのコニー・プランク、馬場さんが重要になってくるんですね。Hi,how are you?と馬場さんのタッグによる録音の妙はもう少しクローズアップされても良い気がします。
原田:アフリカ・馬ン場ータとの異名も、、。録り音もミックスもルックスも馬場さんはピカイチかと!すばらしかの「二枚目」もお馬場ワークス!
-すばらしかの加藤さんと原田さんは宮古ミーティングスの仲間でもありますからね。
原田:アートワークはTHE JAMの「SETTING SONS」をイメージした石像ジャケになる予定です。
-あのジャケットに込められたメッセージは別にして、画的には正直ダサくないですか。あのジャケで「恋はヒートウェーブ」と言われてもっていう。
原田:ええ。だからこそのサブジェクトを手にとってくれた皆様に感じていただこうと。
-アートワークもそうですが、網タイツを顔に被るなどファッションを発信するというのも重要に考えているように窺えます。
原田:あれはたまたまリーダーが履いていた網タイツをむしりとって被ってみたことに端を発するのですが、、。下半期は青空スーツをオーダーし、ヤマザワへのちょっとした買い物もそれで行こうかと考えています。
-ヤマザワというのは山形のスーパーでしたっけ。
原田:リーダーはエナジードームを装着して生活していますのでマブラーはMAVO化に乗り遅れるな!
-最後に何か言い残した事があれば。
原田:京都の友達がやってるバンド、いてこましたるねんの方もよろしくお願いします。アバヨ!
以上です。インタビュー中に出てくる次回作「横恋慕」(仮タイトル)、録り終えてはいますが作業としてはまだまだありますので、リリースはもうちょっと先とのこと。