【新作の詩…というよりも朗読作品】君は員数揃え | pionpionのノンジャンル気まぐれ日記

【新作の詩…というよりも朗読作品】君は員数揃え

初回発表:千葉詩亭・第二十一回(2013年4月20日)@TREASURE RIVER BOOK CAFE


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                         君は員数揃え


「もしもし」
「よぉ、○○君かね。△△だけど。週末の飲み会、人足ンねえんだよ。来てくれる?」
「えっとぉ…その日は先約がありますし、それにお金が」
「金なんか心配しなくっていい。俺が出すんだから、心配すンな。で、もちろん来るよな?」
「…はい…」


「カンパーイ!」
「カンパーイ!!」
「カンパーイ…」


「すいませーん、お会計お願い!」
「じゃあ、みなさん□□円で」
「えっ…?私の分は△△さんが出してくれるんじゃないですか?」
「そんなことを言った覚えはないぞ?ほら、出すんだ、会費」
「…はい…」


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「もしもし」
「よぉ、○○君かね。△△だけど。明日の飲み会、人足ンねえんだよ。来てくれる?」
「えっとぉ…その日は先約がありますし、それにお金が」
「あぁ、ごめんごめん。この前は本当に悪かった。今度こそ俺が出すから、約束するよ。だから、もちろん来るよな?」
「…はい…」


「カンパーイ!」
「カンパーイ!!」
「カンパー……」


「すいませーん、お会計お願い!」
「じゃあ、みなさん□□円で」
「えっ…?私の分は△△さんが出してくれるんじゃないですか?」
「お前なぁ…、この間もそんなことを言っていたじゃないか。給料もらってるんだから、自分の分は自分で払うのは当たり前だろう。文句言ってないで早く払え」
「…はい…」


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「もしもし」
「よぉ、○○君かね。△△だけど。今日の飲み会、人足ンねえんだよ。来てくれる?」
「えっとぉ…その日は先約がありますし、それにお金が」
「毎回言ってるだろう、金のことは心配すンなって。俺がお前の飲み代を払わなかったことなんてあるかぁ?ないだろう。毎回俺が払ってやってるんだから。来るよな?当然だよな?」
「…はい…」


「カンパーイ!」
「カンパーイ!!」
「………」


「すいませーん、お会計お願い!」
「じゃあ、みなさん□□円で」
「えっ…?私の分は△△さんが出してくれるんじゃないですか?」
「おい!お前は何度人に払わせようとするんだ!だいたいなぁ、お前は人に頼りすぎるんだ。自分の分を人に払わせようなんて、社会人として失格だぞ。」
「…でも…」
「こら!文句を言うつもりか!!今度そんなことを言ったら、お前、ただじゃおかないぞ!二度と人に払わせるなんてことを言うな!!!」
「…はい…」


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「もしもし」
「よぉ、○○君かね。△△だけど。今夜の飲み会、人足ンねえんだよ。今すぐ来てくれる?」