ブータンのGNH(国民総幸福)ならぬGNP(国民総生産) | ピンさんのブータンとトルコ田舎生活日記

ブータンのGNH(国民総幸福)ならぬGNP(国民総生産)

ブータンの昨年のGDP(国民総生産)が発表になりました。

昨年 2011年は850億ニュルタムで1昨年2010年が720億ニュルタムでしたので何と118%の前年比になりますがインフレが計算されていませんので実質は8%~9%の伸びだと思われます。



それを産業別の構成比で表したものがこれです。

ピンさんのブータン日記


Primaryは第一次産業、Secondaryが第二次産業、Tertiaryは第三次産業です。


これを見ると、昨年・2011年から第三次産業の構成比が一番大きくなっています。

第三次産業の中を見てみるホテル・レストラン業が何と41%の伸びを、輸送・通信業が36%の伸びを示しています。

これは観光客が1万人増加したことが貢献しており、第三次産業全体で16%の増加、それに対し第一次産業は4%、第二次産業は3%の伸びでしかありません。


農業の構成比が下がるのは近代化が進んできている証拠ですが、第二次産業伸びが低いのは発電業が前年割れをしたことが響いています。発電業の構成比は14%あり、昨年は水不足で発電が充分行えず、停電が多かったことからも判ります。


反面、第二次産業では好調な建設業が16%の構成比があり、何とか前年を越す前年比になっています。 これらの数値から、ブータンは農業国から観光立国に変わってきていることが判ります。


観光客は今年も1万人以上は増加する見込みですから第三次産業が経済をリードしていくものと思われます。


ところが危険な数値も発表になりました。

ブータンの対外債務は760億ニュルタムあります。

GNP比では89%も外国から借入れがあるわけです。

売上高が870億で、借入れ金が760億円の経営は国の経営としては非常に危険です。

しかもその借入先はインド政府だけでなくインドの民間銀行からの借り入れで70%を占めており、ブータンの収入の大半はインドへの借金返済に使わざるを得ない状況です、


従って、ブータンではインド・ルピー不足が起こり、我々ですら自由に外貨を銀行から引き出せなくなってきています。

政府は必死に外貨流出を止めようとしています。


日本の財政赤字とは違う危険な国家の経営状況です