　2024年となりましたが、今年は元日から能登で大型地震が発生し、多くの方々が被災されました。また、珠洲市や輪島市など能登北部の酒蔵さんも被災されたようで、とても心配しています。どうかお命を大切に、またできるだけ被害が少ないように、心からお祈りしています。

　また、願わくば、2025年に開催予定の大阪万博を中止して、その予算を全て今回に地震の被災者の方々へお使いくださるよう、大阪市民として日本中の政治家の皆さんにお願いいたします。

　さて、日本酒がお好きな方はご存じだと思いますが、日本酒の世界で「蔵元」というと、酒造会社や酒蔵の経営者のことです。「蔵人」とは、お酒造りの現場で働く酒職人、「杜氏（とうじ）」は、日本酒の醸造工程を行う職人でその集団の統率者を指します。

　日本三大杜氏と呼ばれるのが、兵庫の「丹波（たんば）杜氏」、新潟の「越後（えちご）杜氏」、そして岩手の「南部（なんぶ）杜氏」です。

　南部の名は、八幡太郎義家の弟、新羅三郎義光の曽孫であり甲斐源氏の祖といわれる加賀美遠光の三男光行が甲斐巨摩郡富士川西岸の南部郷（現・山梨県南巨摩郡南部町）を領し南部三郎を名乗ったのが始まりといわれてます。

　1189年（文治 5年）鎌倉幕府と藤原泰衡との合戦、奥州合戦に功を立て、その功によって南部光行は陸奥国糠部五郡の土地を拝領し、1191年（建久 2年）末入国したと家伝では伝えられており、その後戦国時代にかけて青森・岩手一帯に勢力を伸ばしました。

　南部での酒造りは、南部氏第26代当主で戦国時代末期の南部信直の頃になります。

　その頃に進出してきていた近江商人が、江戸時代初期には南部藩盛岡の城下町形成・発展に大きく関わり、1606年（慶長11年）ごろには、兵庫伊丹においてて開発された大量仕込み樽の製法をもたらし、1678年(延宝6年)、祖・村井権兵衛が紫波町志和地区で酒造りをはじめ、「すみ酒」いわゆる清酒造りの醸造技術を持ち込んでからのことです。

（1600年（慶長5年）伊丹の鴻池善右衛門直文が、効率的に清酒を大量生産する製法を開発しました。）

　江戸時代の南部藩は、領内での酒造りを応援し、近江商人の資本の江州蔵には専従杜氏、農家の副業として小規模で酒を造る農民杜氏がいましたが、蔵元は専従杜氏を農民杜氏の指導に当たらせ、酒造技術向上を図りました。

　南部藩主導の酒造りは、藩・商人・農民一体となり、1681年（延宝9年）には領内の造り酒屋は189軒を数え、1798年（寛政10年）には江戸表から200石を受注するまでになっています。やがて農村部で酒造技術を伝承された人々は、藩領の外へ出稼ぎに行く杜氏たちを生み出すことになったのです。南部藩が、杜氏として藩外で働くことを積極的に抑えつけなかったことが、今日の南部杜氏が国内最大規模の流派を形成する要因になったそうです。

　そして、それから幾年月を経て南部杜氏初の女性である小野裕美杜氏が酒造りしているのが、1903年創業の廣田酒造店で、南部杜氏発祥の地、岩手県紫波町にある酒蔵です。

　米どころの酒蔵として、裏の田んぼで、岩手の酒造好適米『結の香』を育て、使用していますが、酒米の王様「山田錦」と比較して雑味成分が少なく、キレイな酒質になります。

　小野杜氏の酒造りは全国各地の多くの方々から支持され、にファンがいます。小野杜氏曰く、「紫波に来てから感じることは、やはり水がおいしいことかなと思います。」「ここで搾った新酒は硬くないんです。新酒のギシギシしたところがなくて、口当たりが優しい。」「新酒のフレッシュなところがあって、でも、何も角々しいところがなくてスッと入っていく。」「水が優しいからですよね。」

　代表する銘柄は、『廣喜』、「廣く多くの人々に喜ばれる酒」として、地元の祭礼や祝事をなどの酒席に花を添える一献として生まれ、親しまれています。同社は、近年は販売面での低迷などがありましたが、2022年（令和 4 年）に企業力のさらなる向上のため、個人事業主から法人となり「株式会社紫波酒造店」に社名を変更することとなりました。

ピンバッジは、新たに育ちつつある「紫宙（しそら）」ブランドのピンバッジです。

　ボトルタイプピンバッジは、「紫宙純米吟醸銀河のしずく無濾過原酒」です。

　これら二つのピンバッジが、新しい「株式会社紫波酒造店」のPRに一役担うことを願っています。

出典、参考文献・HP

一般社団法人紫波町観光交流協会HP

岩手酒造組合HP

紫波酒造店HP

紫波町役場企画総務部企画課総合政策室

（SAKE TOWN SHIWA プロジェクト連絡協議会事務局）

「tsugihito（ツギヒト）」

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日本酒・酒蔵のピンバッジ（その49）紫波酒造店 紫宙

日本酒・酒蔵のピンバッジ（その49）紫波酒造店紫宙