私から産まれた娘。
親と子ですが、まったく別の人間なんだなと改めて思った瞬間がありました。
娘は長期戦でウィルス性イボの治療で皮膚科通いをしています。
最初にできたのは、足の指の間です。
一緒にトランプをしていた時、ふいに娘が足の指を触っていたのです。
子供たちの体調管理にはどうしても敏感になってしまい、
少しでも赤くはれていたり、痛そうにしていたり、痒そう、とにかく違和感がありそうなときはすぐにチェック、必要であればすぐに近所の小児科受診…というのが癖になっています。
産まれてからずっと見てきている娘たち。
症状がひどくなって長引き、苦しむ姿を見るのは私も辛いから、なんでも見つけたらすぐに!が、娘たちが小さい頃からの私の習慣です。
今回もすぐに気づき、初めは「魚の目?」と思いました。
即、常備してあったスピール膏を貼り、来週にでも皮膚科に行くか…くらいの感覚でした。
しかし、何気に違和感がありいつものごとくネット検索。
子供→魚の目
そこで出てきた結果に嫌な予感
「尋常性疣贅」←じんじょうせいゆうぜい と読むらしいです。
子供で魚の目訴えてくるけど、たいていが「尋常性疣贅」らしいのです。
この、「尋常性疣贅」
ヒトパピローマウィルスが傷口から入ることによってできるイボだそうです。
ヒトパピローマウィルスと聞くと、すっごい嫌なものを思い浮かべましたが、婦人科系の病気のそれとはまた違うタイプのようで、そこはほっとしました。
いやしかし、ウィルス性のイボだなんて、そんなの一日でも早く治療に行かねば!!
週明けにすぐに混みあう皮膚科に駆けつけました。
結果、予想通り「尋常性疣贅」。
ネットで聞いた通りの説明を先生から受けて、処置室へ。
治療法は液体窒素で凍らせて除去する「凍結療法」です。
ただ、私の予想と違ったのは、ドライアイスみたいなものを綿棒で押し付けるのかとおもいきや、スプレーでした。
先生も小2の娘相手なのでとてもやさしく
「頑張ろうね!1、2、3でスプレーをかけるからね。」と落ち着いた口調で娘に説明をしてくれました。
娘も覚悟は決めたものの…
いざ、スプレーされると「い…痛い…」顔をしかめながら小さい声で呟きました。
私は、中学生の頃初めて口にヘルペスができて以来、成人しても時々できることもありました。
そんな時、むしろ「凍結療法」でさっさと焼きとってくれ!と思っていたので、綿棒を押し付けられても特に痛みを感じなかったので、娘から痛みがある訴えられてもピンときませんでした。
冷たいから痛いと思ったのかな?と。
そして、娘のイボ治療はこれからも延々と続き、毎週通う事に。
全治3か月。
数で言うなら、14回くらい娘は「凍結療法」に堪えました。
我慢した甲斐がありすっきり完治し、今は跡かたなくきれいな指に戻っています。
「凍結療法」卒業を告げられる何回か前に隣の処置室から同じ症状の患者さんと先生の会話が聞こえました。
何とも恐ろしいことに、このイボ、治りかけになぜか別のところにまたできることも珍しくないんだとか。
どうやら、その隣の患者さんはまさにそれらしく、先生も「治りかけに増えちゃうんですよね…」と言われていました。
娘と顔を見合わせ、うそでしょ!こんなの増やしたくない!!
そう言っていたのに…
「凍結療法」卒業も近い頃、処置してくださる看護師さんから娘にも「治りかけにまたできることがあるから、しっかり注意して周辺を見ていてください。小さな点とかの時点で来てくれたら、ここまで長期化せずに済みますから!」との助言をいただきました。
試しにと、先生が来られるまでの間、看護師さんが入念に娘の手足の指や指の間もチェックしてくださりました。
そのとき、ん?
治療中の足の指から離れた手の指の爪側に本当に小さなポツっとしたものを発見されました。
この時、看護師さんから「2週間たってもこれが消えないならまた先生に見せた方がいいですよ」とアドバイスを下さりましたが…娘も私もやっぱり間違えであってほしいと思ってしまいました。
2週間たっても消えてはいないけど悪化もしていないし、痛みもないらしいのでそのままにしていました。
そうこうするうちにめでたく、足指のイボは「凍結療法」卒業!!
娘は大喜びでにこにこが止まらずに待合室ですごく喜んでいました。
そして、「治りかけに増えなくてよかったね!」とお互い喜び合っていましたが。
あの小さかったポツっとしたものが、ある日「そういえば大丈夫?」と娘に聞くと、「痛くないよ」というので、安心していましたが見てみると…倍以上に大きくなっていました!
これはいけない!
また混みあう中皮膚科に駆けつけ…
残念ながら2回目の「尋常性疣贅」治療の開始という悲しい流れになったのでした。
娘はスプレーをされ、また「痛いよ…」と言っていました。
そうそう。
ネットにも書いてありました。
子供にも多い「尋常性疣贅」ですが、「凍結療法」は痛みも伴い結果堪えられず、通院が途切れてなかなか治らないというケースも多いのだとか。
娘も長期にわたり痛みを伴う治療が続く辛さを知っているからこそ、またしんどい気持ちになってしまいました。
私のできることは1日でも早く卒業できるよう、必ず1週間に1回、処置しに病院へ連れていくこと。
とにかくこのイボ治療の通院を最優先にすることしか手伝ってあげれません。
ごめんねと思っていたのですが。
今度は私の手の親指に一つ思う事が。
それは、不思議な直径1.5ミリほどの小さな●。
去年の冬の手荒れの時に気づいたんですが、食器洗いなどで手が荒れてピリピリひび割れしている中、この右手親指の腹だけは、変な形に手荒れしていたのです。
無数の傷がこの●だけ避けて入り、そして時々、●の部分だけ丸く皮がぺりっと剥ける。
痛くもかゆくもないし、ただ、なんでここだけ丸いの?
とずっと疑問でした。
まさかこれがイボだなんて考えもせず。
だって、イボって飛び出したものの印象が強いですよね?
飛び出してもいず、痛みもかゆくもない。これ一体なに?
という状態で約1年過ごしたのでした。
疑ったのは、ある日ちょっと手に熱を持った時、この部分がぷくっと少し腫れて初めて痛みを感じました。
その後、また丸く皮が剥けて見えたのは本当に目を凝らさないと見えないくらいの赤い点。
「尋常性疣贅」はよく「赤黒いブツブツが見える」と表現されています。
実際、娘の足の指の時も3~4回目くらいまでは治療の後に見える傷口から鳥肌が立つような(集合体恐怖症の人は要注意なあんな感じです)黒いブツブツが見えていました。
私のは紛れもなく赤。
鮮やかな赤い点。
でも、こういう時って表現色々だし。
娘の手の指だってこれが?と思うものがそれだったし。
覚悟を決めて、本日、娘と二人で皮膚科を受診してまいりまして。
残念ながら私も「尋常性疣贅」確定でした。
Σ( ̄ロ ̄lll)
ショックに浸る間もなく、毎回娘の通院に付き添っていた私には特にスプレーの説明もなく早速いきますよーっと、
①シューーーーーー(長い)→痛い!
②シューーーーーー(長い)→痛い!
③シューーーーーー(長い)→痛い!
×3回
痛いー--!!
私「すっごい痛いですね」
先生「これでも改善された方なんですよ」
私、この時、痛い痛い何度言ったことか。
ってか、娘!!
こんな痛い思いをずっとずっと耐え続けてきたの?
おもわず、隣の娘がいつもにもまして愛おしく思ってしまいました。
そして、娘の番。
先生から
「(お母さんより)先輩だもんね、がんばろうね」
①シューーーーーー(長い)→無言
②シューーーーーー(長い)→無言
③シューーーーーー(長い)→無言
×3回
最後に私に「痛い」とつぶやきました。
思い返せば、最初の足指の治療の時。
1回目のスプレーの後、傷口が水膨れになり水膨れの処置もしていました。
あれだけでも痛かっただろうに
2回目スプレーの後、周辺の厚く盛り上がった皮膚がスピール膏の効果でペリっと一皮むけたのです。
3回目のスプレー前、先生から「やったね!」と言われ何が何だかわからず喜んだのもつかの間、医療用ハサミでジョキジョキと皮膚を削るように切られたのです。
見ているだけで恐ろしい、そこ、神経あるんじゃないの?だったら激痛でしょ!
白く剥がれたところより一回り外側を切り取られました。
娘、痛い痛い言っていました。
恐怖だっただろうな。
スプレーだけでこんなに痛いのに。
話は本日に戻りまして。
私はこの日、娘に対し改めて自分の子供とはいえ、私とは別の立派な人間なんだなと思いました。
同じ痛みを味わったとき、私と違って必要な処置だから怖いけどしっかり受け止めている。
まだまだ小さい娘のその芯の強さに「あなたという人はなんて強いのだろう…」と、尊敬の念を持ちました。
帰りながら、とっても痛いね…
ずっと痛かったんだね、痛みを知らなかったとはいえ、娘に「治るためだから仕方ない」と言い続けてきたことをすごく何もわかってない大人だったなと恥ずかしく思い、私は娘に謝りました。
娘曰く、この痛みは治りかけるにつれ、皮膚薄くなるから痛みが増すのだそう。
お母さん覚悟して!と言わんばかりに。
これから二人で根気よく通院します。
根気よく通院して完治した娘の実績があるから、通えば治る!そう信じて二人で通院と痛みに絶えることを頑張ろうと思います。