海外へ出るということ。


日本人にとって海外に出ることは、観光であれば超簡単ですよね。

観光であればビザ不要で行ける国がほとんどだし、

たとえビザの必要な中国やインドなどの国でも、観光ビザは1日で取れますよね。

仕事であっても、他国に比べれば容易にビザを取得できるのでは

ないでしょうか。

 

でも、ここインドに生まれた皆さんは

どこへ行くにもビザが必要で、それが観光でなくて

仕事となればもう大変。

 

先日、ある海外からの要請で一ヶ月間仕事を頼まれたインドの友人が

「ビザの取れる、取れない」

の繰り返しをさせられたのを目の当たりにして、

いろいろ考えさせられました。

「ビザ取得できました!」と連絡を受け、

いざそれを受け取りに大使館へ伺うと、

「やはりだめでした。」

ということを3回も繰り返させられた友人。

その大使館に行くために3回も飛行機に乗って往復し、

インドの金銭感覚でいえば大枚をはたいているわけで。

出発予定日も迫っていたからビザ取得連絡を受けて

すぐに海外渡航の為の飛行機のチケットを購入、予約をした友人。

その仕事をするために、どのくらいの時間を割き、

いったいいくらの仕度金を使ったんだろう。


 

しかし、結局、難しいので渡航は断念の方向になりました。

今回の友人の夢のひとつは、

ビザを取得できないことで叶える事ができませんでした。

あの航空チケットの行方はどうなるんだろう。

・・・かわいそすぎて聞けなかった。

 

最近、特に私が海外に遊びに行って思うことって

「日本人は守られてるな」ということ。

それは入国審査の場所で如実に表れます。

その受付ですんなり1分もしないで通れる日本人。

その横で何分間も審査官に質問攻めに合い、

なかなか通らせてもらえない国の人々。

それ以前にいろんな国のビザが短期間でもらえる日本人と、

そのビザ取得自体が大変困難な人々。

日本の外交は、私たちの見えないところで、

たくさんの努力をしてくれているんだと肌で感じます。

や、もちろんたくさんの税金を使ってるんでしょうけど。

それを例えばどんなことにどう使っているのか、

それによって日本人がどのように観光や仕事、

「日本人として優遇」させてもらえているのか、

それによってどんな風に日本人は豊かな生活を

過ごすことができているのか、

もっとわかりやすくアピールしたほうが

税金を払う側も納得するだろうに。

 

先日、英語の先生が言っていました。

「私たちはここに生まれて、たくさんの選択肢はもちろんない。

だけど、私はインド人だから、仕方がないんですよ」

それは大変穏やかに語っていました。

 

その友人も怒ることなく、むしろ自分が夢みたことで

多くの人に迷惑かけ心配させたことを反省していました。

それもやっぱり穏やかな、だけど切ない寂しい口調で。

私だったら逆切れしてブチ切れて大変だろうに。

 

私たちが日本人として生まれてきたことに、

もっと感謝しなくてはいけない。

信頼の厚い国に生まれたことを。

たくさんの夢をみて、叶えるチャンスの多い国に

生まれていることに、もっと気づかなければいけない。

こんなに暮らしやすい国にいることを当然と思わず、

そのような国に導いてくれた人々、

お爺ちゃんお婆ちゃんたちの世代に、

父や母たちの高度成長を支えてくれた

初代モーレツサラリーマンたちに

もっと感謝しなくてはいけない。

 

なーんて、ふと感じながら涙しちゃう私でした。

 

インドは日本の昭和30年代~40年代初頭の生活観であり、

現代にいながらタイムスリップさせてもらって

ふと我を振り返ることができるのです。

そんなインド駐在という機会にも、感謝ですね。

 

いろんなことに、ありがとう。

 

と、涙し、鼻をかみながら 

 

あ、ここは30年代~40年代初頭だから、

うちの主人はモーレツなんだろうか。

 

と、心に浮かびました。

 

ところでOH !モーレツ~!というCMを

特番の「懐かしCM特集」で初めて見たとき、

衝撃だったなぁ。。。。。