~前回からの続き~


帝王切開で
出産したばかりなのに、

その傷付近に
グイグイ押しを繰り返され続けたが、

15分ごとだったのが、
30分ごと、
そして1時間おきになっていった。



思えば、
3人の中の一人は
新人看護師さんで、

先輩に指導を受けながら
私のお腹をグイグイ押していた。



「もっと、もっと」

と言われる度に
全体重をのせて押すので、

その痛みたるや
気を失うレベル。




先輩が
私のお産パッドを覗いては、

「ダメ、
全然悪露が出てないよ」

と言う度に
新人さんがやり直し。



それでも上手くいかず、
最後は先輩が仕上げで
3回程押してくる。



これまた凄い痛みだけど
新人さんより当然上手くて
なぜか我慢できるレベル。



そして
そのたった3回程で
的確に悪露が出るのだ。



“最初から
先輩さんがやって頂けませんか?”

と言いたかったが、


“研修生による処置を
ご了承下さい”

という張り紙が
病院中にあったので、

我慢するしかないと
思ってしまった。





そしてその後も毎回
新人さんが10回程押したあと、

先輩さんがダメ出しして
仕上げの3回をやる、

ということが続いた。



トータル
軽く100回以上は
押され続けただろう。


私は涙を流しながら
諦めの境地。



そして夜。


何時かわからなかったが、
夜勤の同年代だろう看護師さんが

「これ以降は、
私が担当させて頂きます」

とわざわざ
ご挨拶にみえた。




でもやることは同じ。


さっそくの
傷付近のグイグイ押し。



痛い、
確かに痛い。



でもそれまでとは
全く違う。




「はい、
息を吸って~、吐いて~」

とイチイチ
お声がけして下さり、

私が吐いた時に
グイグイっと押してくれる。


すると
痛みが緩和されるのを感じた。




散々押されて
痛みに慣れたせいもあるけど、

呼吸に合わせると
痛みは軽減されるらしい。




押すのも的確で、
しっかり悪露が出るので
毎回3回程で終わった。


1時間ごとが
2時間ごとになり、

そして明け方4時頃を最後に
子宮押し地獄は終わった。


本当に辛かったけど、
最後の夜勤の看護師さんは
とても優しくしっかりされていて
安心感があった。


毎回、話しかけて下さり、
痛みに共感して頂き、

点滴や尿導パックなどの点検も
他の看護師さんよりも
とても慎重で丁寧だった。


押され続けたお腹が
熱を帯びていたのか(?)
よくわからないけど

大きいアイスノンを持ってきて
冷やして下さったり、



「辛いでしょう」
と体の向きも変えてくれた。


足をチェックした時には
「着圧ソックスが
正しく履けてない」

と、
時間をかけて直してくれた。




手術前の看護師さんは
自分で履くように言っただけで

そのあとチェックも
してくれなかったよ~。



とにかく深夜で
人手のない時間帯なのに、

ここまで患者に向かい合える
看護師さんがいるんだ、と

心から感動した。


まさに白衣の天使。



親身にサポートして下さる
看護師さんがいるから、
患者は頑張れるんだな。



子宮押しは
確かに地獄だったけど、
最後に救われた気持ちになった。