​最近、日の短さを感じることが多くなってきました。
冬至と夏至で1日の「昼の長さ」には6時間の差があります。
朝と夕で3時間ずつ。
今は冬至に向けてまっしぐら。
夜が幅を利かせ、昼を隅っこへと押しやっていきます。
「暑いな」と文句を言っていたことも忘れて、
空気が冷たくなっていくのを少し寂しく感じている自分がいます。
季節は、こちらの惜しむ気持ちに関係なく移り変わっていきますね。
​札幌の秋風が、日ごとに冷たさを増してきました。
​最近、SNSなどで彼岸花の写真をたくさん見かけます。本州では見頃の時期なんですね。
寒冷な気候の北海道では、野山で自生する彼岸花に出会うことはほとんどありません。
本州では秋の訪れとともに路傍や田の畦を赤く染める花ですが、北国では少し特別な存在です。
​そんな彼岸花に会いたくて、今日は百合が原公園の温室を訪ねました。
​室内へ一歩踏み入れると、ふわりと心地よい空気が包み込んでくれます。
この温室の中に、大切に育まれた彼岸花が咲いているはず——。
ですが、辺りを見渡してもすぐには見つかりません。
開花期間が短い花ゆえに「すでに散ってしまったのでは……」と、がっかりした気持ちが胸をよぎります。
​さらに温室の奥の方へ進むと、咲いていました。
鉢植えされた何色もの彼岸花が、静かに咲いていました。




まず目を奪われたのは、やはりその優美で鮮烈な「赤」。
温室のガラスを透かして届く柔らかい光を浴び、どこか異空間めいた妖艶な華やかさを放っていました。北国の静かな秋の中で出会うその色には、どこか強く惹きつけられる魅力があります。
​ファインダー越しにその姿をじっくりと見つめているうち、ふと思いました。
「この鮮やかな色をあえて脱ぎ捨ててみたら、一体どんな姿が現れるだろう」




色を抜いた世界に立ち現れたのは、「線」の造形美でした。
天に向かってしなやかに放物線を描く繊細な雄しべ。
幾重にも折り重なる花弁のカーブと、光と影がつくる深みのあるグラデーション。
​あでやかな赤に魅せられていた時には気づかなかった、この花が持つ静かな骨格のような美しいフォルムが、そこにははっきりと存在していました。
鮮烈な赤に惹かれて心が留まったあとに、色を削ぎ落とした黒と白の線に、私の心は奪われてしまいました。
​いつまでも見ていられる、そんな花ですね、彼岸花は。
​出会えてよかった☘️
​温室を出て、少し高く感じる青空を見上げつつ、胸の中に残った彼岸花の余韻を確かめながら帰宅しました(^^)。


【他の色も可愛かったですョ】