我が社の社長。
80代後半ということもあり、そろそろというかボチボチというか早く交代したほうが良いと思うんです。
数年前に入院した時、息子や幹部クラスの人間には「そろそろ交代やな」と言っていたらしく、復帰後には役員手当を減らす等、社長交代が現実味を帯びていたんです。
そこで幹部クラスの方々がしっかりしていればよかったんですが、社長から見て幹部クラスが頼りなかったようで「やっぱり続ける!」とやる気が復活してしまったのです。
しかし、歳には勝てず昔のように対外的な付き合いもしなくなり、出社しても社長室で爆音でYouTubeを見たり、誰かと電話しているだけ。
最近はスーパーで買い物をしてきたお菓子を会社の経費で落とし、従業員に配るのが日課。
経営には全く携わらず、出社しても2時間以内にご帰宅。
取締役や部長をしている息子でも社長を誰も止めることはできず、連日スーパーでお買い物。
9月のある日。
社長がレシート片手に出社。
私の前に来るなりレシートを出して精算。
ここまではいつもの流れ。
「もう、こんな買い物したくないんや…」
社長がそう呟きました。
もう買い物やめましょう!
社長が直々にこんなことしなくていいですよ!
従業員の差し入れも数が多すぎますし、経費がかかりすぎてますよ!
みたいなことを社長に言いました。
社長も「そうやな!もうええよな!」と返してきました。
ほぼ毎日、従業員の差し入れを買いに行くのは時間もお金もいるし、何より買うものを考える手間がすごくかかります。
社長も必死に考えていたんだと思いますが、差し入れするものがみかん、いちじく、いちご等の果物だったり、きゅうり、大根、白菜といった野菜だったり…
あなたの中にお菓子という選択肢はないのか!と聞きたくなるほど、尖った差し入れを連発していたのでもうよろしいかと。
精算を終えると、社長は晴れやかな表情で事務所を出ていきました。
翌日。
社長は出社するなり、私の前でレシートを出しました。
プルプルと震える手で出されたレシートには
バナナ 158円
差し入れやめるんとちゃうんかい。