“ダメンズウォーカー”
という言葉が何年か前に流行り、それ以降自分は“ダメンズウォーカー”だと豪語する女が増えてきた。

私もまさにそのうちの一人で、

正真正銘の“ダメンズウォーカー”だ。

ダメンズ(=ダメ男)という定義は人によってなんとなく違うのだろうけど、

日本語俗語辞典によると


だめんずとは「駄目(ダメ)」と「メンズ」をかけた言葉で、

恋人や結婚相手としてダメな男を意味する。

だめんずは倉田真由美の漫画タイトル『だめんず・うぉ~か~』からきたもので、

具体的には金がない男、浮気症、DV(暴力)などがある。』


だそうだ。

日本語俗語辞典の定義とは少し違っているけれど、
私はダメ男には大きく分けて2種類が存在していると思っていて、

 

“性悪”のダメ男と“性善”のダメ男がいる。



“性悪のダメ男”


というのは、本来ダメ男に該当する要素がないくせに、

接する相手によって自分を演じ換え、

ダメな男の振りをする。


そんな男に限って、本命の女の前では完璧な男だったりする訳で。

自分がダメな男ということを言い訳に、都合の良い事象を産み出すのだ。

「俺って、恋愛とかちゃんとしたことないからよくわかんないんだよね。」


「俺って、人の気持ちとかあんま理解できないからそうゆう事しちゃうんだよね。」


「俺って、出無精だからどっか行ったりすんのあんまり好きじゃないんだよね。」


そんな男がたまにみせる優しさや、見せ掛けの愛情表現に、

ダメンズウォーカーな女子はキュンとしてしまい、

普段とのギャップで、そのたまの表現を一入だと感じるのだ。


所謂飴と鞭の使い方が極めて巧みな男。

これが性悪のダメ男。

 


では性善のダメ男とは。



“性善のダメ男”

 

は分かり易く「~ができない」男だ。


仕事ができない。

 

お金が稼げない。


片付けができない。


時間が守れない・・・etc


「~ができない。」という事象は努力をすればなんとかなる事もあるので、

その努力をしようとしていないところが“ダメ”なのだが、

別に相手を不快にさせようとか、

騙そうとか、そう思ってやっている事ではない。


どんな女性に対しても、「できない」ものは「できない」のだ。

悪気があってダメなわけではないのである。


それが“性善”のダメ男。

 

 


そんなダメンズたちに、何故世の女性たちは、

“ダメな男”だと認識しながらもハマってしまうのか。



まず決定的な事象として、ダメンズにハマる女性はマゾ気質と母性本能が強い。


どちらも多少なりとも多くの女性に備わっているものだとは思うけれど、

それがかなり強いのだ。


そして“性悪”のダメ男が好きな女はマゾ気質が突出して高く、

“性善”のダメ男が好きな女は母性本能が強い。



若干私の私見も混じっているが、27年も生きてきた女性であれば、

必ずどこかでダメンズにハマった経験というのがあるものではないだろうか。


それはそれで、


「あいつは本当ダメ男だったよ~。」


と、ガールズトークのネタにされて終わるのだが、

私のように、こうも例外なくダメンズにばかりハマる女性と言うのは、

どうしたものかと思う。


そしてそれはやはり女性にも原因があって、

ダメンズというのは結局女が作りだしているのではないかと思うのだ。


 

日々の男性とのやり取りで

 

「あぁ、ここだ。こうしてダメ男がつくられていくんだ」

 

と思う瞬間が、手に取るようにしてわかる。

 

 

【ダメ男がつくられる瞬間 その1】


「今はまだ彼女と別れられないけど、頑張って別れるから!」


「だってそう言ってもう3カ月も経ってるじゃん。」


「でもちゃんと話をしたんだよ。夏子のこと本気だから絶対に頑張るから!」


「・・・・。わかった。待ってるね。」

 

 

あぁ、ダメ男を作ってしまった。

 

こんなことを言いながら、結局この男は半年経っても

1年経っても彼女と別れず、現状維持をし、その関係性の答えを先延ばしにする。

 

 

【ダメ男がつくられる瞬間 その2】

 

自分は自ら女に連絡をしない男だと豪語している男から、


「今なにしてんの?今から家きなよ。」


という深夜の連絡に


「えー、でももう遅いし。」


「大丈夫だよ。明日朝ちゃんと送ってくし。」


という甘い答えに。


「じゃあ行こうかな。」


と言った瞬間、


あぁ、またダメ男をつくってしまった。


 

 

【ダメ男がつくられる瞬間 その3】


 

「なんでいつも寝る時携帯の電源をOFFにして、鞄の中に入れるの?」


 

「は?お前との時間誰にも邪魔されたくないからに決まってんじゃん!」


 

「そっか、ごめんね。」


 

この1年後、5年間付き合ったという彼女と彼が結婚したという事実が、

どんだけこの状況がダメ男をつくった瞬間だったかを物語っています。




要は、“ダメンズウォーカー”という言葉がこれだけ流行し、

世に“ダメンズ”というのが堂々と生息しているのは、

結局それを許してしまって、更には魅力的だと思ってしまう女性が世の中に多すぎるという事が

原因なのです。


それに引き換え、“ダメ女”という言葉は流行せず、

それどころか、ダメな女というのは世間的に卑下される所以は、

先に述べた女性の持ち合わせているマゾ気質と母性本能によるものなのではないかと思うのです。


 

かくいう私は自分を“ダメンズウォーカー”だと豪語しているだけあって、

決して自分の過去の珍事象を別にダメンズのせいにしているわけではなく、

自分が巻き起こした事象だと認識をしています。


 

だから、散々友人たちの


 

「そんな男辞めなよ!」


 

「だから結婚できないんだよ!」


 

という忠告を尽く無視し続けているのです。


 

そういった状況を客観的にみてみると、

結局は「幸せになりたい」「結婚したい」

という願望よりも、今この場の楽しさやエキサイティングさを追い求め、

ダメンズを自ら手繰り寄せる選択肢を選んでいるのだから、


 

結局はそんな現状に満足をしているのかと・・・・。


 

こんな私が、きっぱりダメンズウォーカーから抜け出し、


俗に言う


 

“幸せ”


 

を手に入れる日が、やってくるのでしょうか?