喉の疾患である声帯結節を患っている瑞希。
『ANSWER』を静かに歌い出した瑞希の喉は限界に近づいていた。
そして、掠れていた声が出なくなり、喉を押さえる瑞希。
『ANSWER』が中断し、一加、冴島、メンバーたちは瑞希を見つめた。
瑞希は病気の事を幼馴染みの楓以外、誰にも話していなかった。
苦しそうにしている瑞希に希望のエールが響き渡る。観客が瑞希に代わって歌い始めた。
『何かひとつ確かな物がきっとどこかにあるだろう。たったひとり愛する君がずっとそばにいる事がそれこそが答えだから…』
海たちは中断していた演奏を再開し、瑞希の代わりに観客の大合唱が続くステージ。
瑞希の胸に去来する物は。
ステージの様子を窺っていた冴島が会場を出て行く姿を見た一加は、慌てて冴島を追いかけた。
「待ってください!もう一曲だけ、もう一曲だけ聴いて行ってください!」
一加は必死に冴島を呼び止めるが、振り向いた冴島の表情は厳しかった。
「あなた、何もわかってないのね。今あなたが止めなきゃならないのは私じゃなくて瑞希でしょ。もう限界よ、あの子の喉」
「そんな…」
冴島の衝撃的な言葉に会場を振り向く一加。
「あの子があそこまで変わるなんて思わなかった。きっとあなたが変えたのね」
「私も…もっとちゃんと向き合っておけば良かったわ」
冴島は一加に背を向けた。
かつて、瑞希のマネージメントを担い、瑞希と必死に活動して来た冴島なりの温かい言葉だった。
拍手が響く会場に戻った一加は人波をかき分けながら瑞希に叫んだ。
「瑞希くん、もうやめて!」
しかし、瑞希は
「俺は…俺はSHARKが好きだ」
「この一瞬を生きる為に今まで生きて来たんだと思う」
「限界だと思っても、それを越えて行かねえと望んでた場所には立てねえんだよ!」
瑞希は宣言し、海、憲三、哲平、歩と目を合わせた。
歩がキーボードに指を伸ばし『KEEP WAKING』
が流れ熱狂的な歓声が谺した。
『Refrexion』
『SMILE』
『カ・ガ・ヤ・キ』
『ANSWER』
『KEEP WAKING』
を終えたSHARK
ライブは大成功した。
SHARK第12話(最終回)・後編に続きます。











