長谷川武弥座長の『旅日記わらわっしょんな』が好きで拝見しています。
そこに、「団七九郎兵衛をします。前日の夜の部に私がして、一馬に見せて、10日の昼の部にさせます。」と、書いてありました。
以前から、団七九郎兵衛が大好きで、いろいろな機会をとらえて見に行ってます。
初めに花吹雪のDVDで十年以上前に拝見しました。その時は、DVDという限界か、よく分からない印象でした。
次に、2013年でしたか、筑紫桃太郎一座が初の関西公演でやまと座に来られました。その時に団七九郎兵衛を見てあまりの素晴らしさに衝撃を受けました。
花道さんの化粧が雰囲気があり、桃太郎さんのあこぎなお義父さんが素晴らしく、また、花道さんが夏祭りの踊りに紛れて逃げていく場面で只の踊り手で出てきた桃之助さんが光っていたこと。
写真を撮って残したい、と強く思いました。で、送り出しの時に、次の浪速クラブの時に、お芝居だけど写真を撮らせてください、と言うと、快諾していただき、浪速クラブで撮ってこのブログに掲載しました。
花道さんが優伎座の虎博さんから習った、とおっしゃってたので、優伎座にも見に行きました。
又見たいなあ、と思ってたら、花吹雪の春之丞座長が団七九郎兵衛をしようと思っています。とおっしゃって、見に行きました。構成が素晴らしく感嘆して代表作だなあ、と思いました。京誉さんのお義父さんも、雰囲気がぴったりで、さすが、と感じ入りました。
その夏に歌舞伎でも松竹座で松本幸四郎さんの『夏祭浪花鑑』の公演があり見に行きました。堂々とした押し出しでした。
テレビで、中村吉右衛門さんの『夏祭浪花鑑』が放映されました。ご赦免になった団七が、大きくなった子供を背負うのですが、菊之助さんの子であり、吉右衛門さんの初孫を背負われて歩く、というところが、実人生と表裏一体になり、陰影のあるしみじみとしたいいお芝居になっていました。70才を超えた吉右衛門さんが義父との立ち回りをされて、命を懸けたお芝居をされることに有難いことだ、と感じ入りました。
花吹雪は、その年の秋ごろから関東公演をされましたが、又団七九郎兵衛をされる、とのこと、観劇旅行に出かけました。
木馬館での団七九郎兵衛、あんなに素晴らしいのは見たことがありません。春之丞座長の団七が夏祭りに紛れて逃げて行くのですが、捕り手との立ち回りの時に、客席に長梯子を置き、その上に上り、天井に手を掛けて見栄を切られていたように思います。
又、仲間役の京之介さんと二人でお城のしゃちほこのある屋根に上り、やらかそうぜ、という風に意気軒昂の笑顔になる、というところで、ぐぐぐっ、と屋根が前に出て来ました。それだけで一大スペクタクルになり、大感激しました。
次に長谷川劇団での団七九郎兵衛でしたが、捕物帳、とあり、驚きました。やくざが十手持ちでもあるのですが、団七に兄がいて、その人も十手持ちという設定になっていました。
そこから捕物帳、という題が付いたようです。親殺しをしてしまい、磔獄門に怯える団七、逃げるしかない絶体絶命の団七をかばい、逃がしてやり、大団円になる、というストーリーに、センターなどで楽しみに観劇に来る善男善女が安心できるなあ、と感心したものです。
第一部 お芝居
団七時雨
ものすごく熱い日でした。駅のホームに立っていてもじりじりと焼けるようで、たらたらと汗が流れました。
瀬田駅に着くと、送迎バスが来てくれて涼しい館内に入り、ほっとしました。
お芝居が始まりました。乱之助さんのやくざが団七の妹を妾にしろ、そのために大金をやるぞ、と桜さん演じる義母をそそのかします。
桜さんの小さくて可愛らしいのにあこぎそうなメーク、その立ち居振る舞い、見るたびに笑いが込み上げます。
団七が妹を助けるために義母を手にかける親殺しの場面、倒れた義母に刀を振り上げる団七、一太刀、角度を変えて又一太刀、暗闇に浮かぶ鬼気迫る顔。まるで錦絵を見てるようでした。写真でこの瞬間を残せたら、と思いました。
京花座長の兄に助けられて逃げて行く団七、袖をパッ、と顔の前にもってきて覆う場面、何から何まで見たいお芝居そのものでした。一時間のセンターでのお芝居でこんなに感動するんだ、と感嘆しました。
第二部 舞踊ショー
一馬 詩音 乱之助 未来 愁
ゲスト 長谷川桜さん
愛京花総座長
長谷川一馬さん
京未来さん
長谷川武弥座長
長谷川乱之助副座長
京詩音さん
乱之助 一馬 愛座長 未来 愁
乱之助 未来 愛座長 愁 一馬
蒼桜(そら) 桜 舞
愛京花総座長
長谷川武弥座長
ラストショー 俵積み唄
乱之助 愁 未来 愛座長 桜 舞 詩音 一馬