お芝居
藤十郎の恋
この日は、藤十郎の恋のお芝居でした。前からこのお芝居を舞台で見たい、と思っていました。『お梶』という踊りや、舞踊劇では、見たことがありますが、お芝居としては、一度も見たことがありませんでした。頑張って行きました。
以前、テレビのリバイバル映画で同じ題の映画が放送されていて、主演は長谷川一夫さんと香川京子さんでした。あらすじは次のようです。
人気役者の藤十郎は、近松から、新作の不倫をテーマにした心中物のお芝居の台本を渡されていました。
この頃の不倫は、さらし者になった後、死罪。
藤十郎は、人の女房が恋を仕掛けられてなびくはずがない、と、役作りに困っていました。そこで、藤十郎は、試しに昔なじみの茶屋のお内儀 お梶に恋を仕掛けます。藤十郎が甘い言葉をささやくと、お梶は、あんどんの灯をふっ、と吹き消し、藤十郎に身を投げかけようとします。が、藤十郎は、さっと身をかわし、去って行きます。
映画では、豹変した藤十郎の気持ちが分からなくなったお梶が、芝居小屋を訪ねて来ます。口さがない客達が、『心中物のお芝居に困った藤十郎が、どこかの料理茶屋の女房に恋を仕掛けて、稽古台にし、うまくいったので、このお芝居が大成功したらしい。』と言うのを耳にします。
長年秘めていた恋心がかなった、と思っていたお梶は真心を踏みにじられ、絶望して、死を選びます。
お梶が死んだ、と聞かされた藤十郎は、
『芝居のためなら、犠牲者が出ても仕方ない。』
と言い放って舞台に立って行きます。
この大好きだけど難しいお芝居、どのようにされるのだろう、と思っていました。
お梶は愛座長で、藤十郎は武弥座長かな、乱之助副座長かな、と思って行きました。すると、のっけに愛座長が藤十郎で出て来られました。そして、お梶は長谷川桜さんでした。
恋を仕掛けて、いざ、という時に身をかわすところまでは一緒でした。しかし、身をかわした後、藤十郎は、『今のことは芝居の稽古のためで、お前のことは何とも思っていない。』、と冷たく言うのです。びっくりしました。
お梶が問いかけようとするのを強くさえぎって藤十郎は、去ります。すると、映画と違う、お梶の次の独白にもびっくりしました。
『私は、藤十郎様がたわむれに恋を仕掛けられたのだと分かっています。』
と言うのです。
そして、芝居の初日に芝居小屋に現れたお梶が藤十郎に、『たわむれに仕掛けられたことを知っていたので、自分のことは気にしなくていい。』と言おうとしますが、藤十郎が頭から拒否する態度を取るので、二重に真心を踏みにじられ、絶望し、そのことを近松に打ち明けて、死を選びます。
近松からそれを聞いた藤十郎は、自分がしたことを心から悔います。
エンディングでは、お梶の姿がもやの向こうに見え、藤十郎は悲しみの中へ。すると、天からお梶の文が落ちて来ます。このラストは、昼の部では無くて、昼の部と夜の部の間に急遽、愛座長が文を書かれて用意されたそうです。
映画は、芸のために非情になれる藤十郎であり、お芝居の藤十郎は、非情ではあるが、まだお梶に自分の気持ちを伝えるところもある普通の人間、という面がありました。
映画とはずいぶん違いますが、より人間臭い、藤十郎であり、お梶のような気がしました。
舞踊ショー

長谷川舞さん

京未来ちゃん 長谷川一馬さん

16才コンビです。

長谷川乱之助副座長

刺客に囲まれて

長谷川武弥座長
大立ち回り

武弥座長を踏みつけてうれしそうな皆さん。
その前の立ち回りの時から、一馬さんなどは笑ってました(^O^)

舞 乱之助 一馬
詩音 未来

長谷川愁くん
中一です。

愛京花座長


長谷川一馬さん


長谷川武弥座長

長谷川乱之助副座長

京未来ちゃん



ゲスト
長谷川桜さん
武弥座長のお弟子さんです。

愛京花座長

詩音 そら 一馬 桜 未来 舞 愁

長谷川武弥座長

愛京花座長
時々歌を聞かせてくれます。
太鼓ショー

狭い劇場なので、客と役者さんの距離が近く、まあ、楽しかったこと。役者の皆さんも、笑顔がいつもこぼれていました。
