今年も11月になりました。
近年、映画から遠ざかっていたような気がしましたが、なかなか面白い映画があったので、結構見ていることに気が付きました。
少女は自転車に乗って
サウジアラビアの少女の話です。
お母さんは長い髪でとても女らしく、お父さんを愛し、尽くしている。少女は近所の男の子とも遊んでいる。男の子は自転車に乗っているが、少女はお母さんから、女の子は自転車なんか乗るものじゃない、と買ってもらえない。
少女は、コーランの暗唱会で優勝したら買ってもらえる、と頑張って挑戦する。一夫多妻の国なので、お父さんは実家で本妻をもらう。あんなに女らしくし、お父さんに尽くしてきたお母さんは、髪を切り、自転車を買うことを許す。
少女は世の矛盾の中をすいすいと自転車に乗って走り抜けていく。
小さいおうち
山田洋二監督の映画だったので、見なくちゃ、と出かけました。
お手伝いをしていた叔母さんが高齢で病気がちなので、時々お世話しにいく。その叔母さんは、生涯独身で、時に涙を流すこともあった。
時代はさかのぼって戦時中。叔母さんはとても若く、丘の上のある小さいおうちでお手伝いさんをしていた。きれいな奥さんと子どもと、堅実な旦那さんがいた。ある日、若い男がやって来て・・・・
太秦ライムライト
前に紹介しているので、省きますが、福本清三さんは前から好きでした。この映画で、また、映画の素敵さに目覚めた気がします。
超高速参勤交代
小藩の殿様は、参勤交代から帰って来た。貧乏藩なので、やりくりしてやっと行ってきた。
しかし、時の権力者は、藩を潰してしまおうと、とても行けそうに無い数日で江戸に来い、と難癖を付けて来た。これまでか、と思ったが、皆にはげまされ、いろいろと工夫した。
宿場では行列を見せるために人を雇い、野道に行くと、尻からげをして走っていくのだ。
邪魔をしようと忍者まで出てくる。
たまたま、本になる前の見本の時から読んでいました。見応えのある映画でした。
シネマ歌舞伎 女殺し油地獄
さつきさんの紹介で、初めてシネマ歌舞伎を見ました。大好きな片岡仁左衛門さん。まだ、片岡孝夫さんの時から、その実力に感心していました。歌舞伎は高いので、めったに見ませんが、彼と玉三郎さんの『桜姫東文章』を観たことがあります。
このシネマ歌舞伎でも、素晴らしい演技で最後まで、食いついて見てしまいました。
No
チリの軍事政権の悪事は今や周知の事実になっています。これは、国際批判が高まり、信任についての国民投票をすることになったところからのお話です。
子持ちで奥さんから逃げられそうな若き広告マンが、ピノチェト政権『No』のキャンペーンを企画する。
今まで暗い押しつぶされそうだった社会に暗いキャンペーンをしても受け入れられない、と彼は、コーラの宣伝のような、明るい、ポップなCMを入れていく。
若い時に、ピノチェト独裁の陰で、犠牲になった人達のドキュメントを見たことがあります。耐えられないほどの暗黒の画面だったので、そうなのかな、と思っていたら、とっても楽しい、五感に訴える素敵な映画でした。
オーケストラ
テレビで一度見て、もう一度見たい、と思っていたら上映されていたので、喜んで見に行きました。
ロシアがソビエトと言っていて、共産党独裁の時代、モーツァルトのコンチェルトを指揮していた指揮者がいた。
突然乱入してきた共産党幹部によって、指揮棒を折られ、清掃作業者にされてしまう。
30年たって、ロシアになり、共産党の力も決定的に無くなった。それでもまだ指揮者にもどれなかった。
その男がボリショイで掃除をしてると、パリのオペラ座から演奏依頼のFaxが流れて来た。
それを見た男は一計を案じる。
感動で涙がこぼれます。決して悲しくてではなく。
悪童日記
双子の少年は、戦争を避けるために、祖母のうちに疎開してやってくる。その祖母は、強突く張りで口汚くののしるという魔女と噂の最悪な祖母だった。
二人は、父からは日記を書くように、と渡され、母からは勉強しなさいね、と言われ、その二つは守ろう、と決めていた。
戦争も末期で、生きるために盗む者、聖職者でありながら戒律を破っている者、逃亡した兵士、靴を安く譲ってくれたユダヤ人、いろんな人達が現れる。
本当に素敵な人は誰だったのか、唾棄すべき人は誰か、二人は厳しい世界から学び取っていく。
本も読みました。お芝居も見ました。それでもピンと来なかったけれど、この映画は素晴らしかった。良かったです。
これから見たい映画
以前、森繁久弥さんの特集をしていた映画館に入り込んだことがあります。あまりに素晴らしかったので、ビデオを探していくつか見ました。
又、森繁さんの映画特集をしてくれないかしらね(*^_^*)