極寒に震えながら過ごした一夜が明け
いよいよ手術当日を迎えた

朝ごはんを頂戴し
歯を磨き
その間に体温やらなんやらいろいろなチェックもあったと思うが
記憶力も悪く 歳も歳なので今となっては正直細かいことは覚えていない

手術にあたり
お化粧とマニキュア・ペディキュアはしないで下さいと言われていたが
普段からメークはほとんどしない方なので特に問題もない
そこまでのずぼら女子ではないが
化粧をしても映えない顔なので
飾ることは諦めている
(とはいえ一応 薄く軽く眉だけをなぞって少々整えてしまった)

しょぼくれた姿で手術に臨みたくはなかったので
いつもと同じように
長い髪をヘアアイロンでしっかり巻いてカールを出し
(入院に要らんだろうといわれたコテアイロンもしっかり持参!)

私いつもとなんら変わりませんよ
気にしてませんよ
動揺なんてしませんよ
何でもないんですから・・・

精一杯の強がりだったんだろうが
くるくる巻き髪を整えたあと
手術見舞いに来てくれた妹がその姿を見るや否や
ぷっと吹き出しそうなのをこらえているのを横目に
案内の看護師さんに誘導されて
いざ手術室へと出発した

テレビドラマなどで見るのと少し違って
お世話になった病院では
家族に見送られて入った扉からは
案内が若いドクターに替わり
実際の手術室までの間
ストレッチャーとかに乗せられてではなく徒歩で
バックヤードの荷物がごちゃごちゃ置いてあるようなところを通り
なんかここなの?という感じの入り口から入っていった

用意された手術台(だったのかな?)に横になるように言われ
案内してくれたドクターのほかにも若いドクターがいて
なぜかみなさん無駄にイケメンで
横になるだけでもドキドキしたのだが
そんな若干よこしまな気持ちの傍らで
いきなりささーっと顔が青ざめるような一言

ワン・オブ・イケメンが

「これから麻酔かけていきますが 下着を手術用のものに換えますのでとらせていただきますね」


えっ、、、ええーーーー
パンツ剥ぎ取られるの!?
やばい、やばいわ、髪はくるくるしてばっちりだと思ったのに
パンツ、捨ててもいいと思ったボロボロのやつ~~~

悩む暇すら与えられ無い素早さで
イケメンは容赦なく私のオバパンツを剥ぎ取ったのであった

(実際は大変丁寧に脱がせていただいたのだが)

痛恨のミス!!

嘆くのもつかの間
というか
嘆いているのを覚えているのも一瞬のこと
おっぱいとの別れに思いを馳せる暇すらなく
パンツの後悔だけがかすかに脳裏に残ったまま
あっという間に眠りに落ちたのだった