鎌倉逗子葉山、海岸線には、大企業の保養所がずらり並んでいた。

大物の別荘も、今では信じられないものがあった。


昔の政治家、経済人の家は、どれほどの広さだったのだろう。

住み込みの別荘番が居て、いつ、何人行くと言われれば、寝具の準備や、必要なものの準備をする。

きちんと庭師も入った庭は、見事なものであった。


軽井沢あたりは残しても、葉山となると近すぎて面白みがなく、相続人が増えすぎると処分した。

更地にすると広いですよ。


企業の保養所も、皆聞いたことのある社名が並んでいた。

葉山あたりは、海水浴に来ても宿も少なく、会社の寮のあるところは、優雅だった。


しかし、遊びの時まで、会社関係を引きずりたくないと思う人が増え、

銀行や企業の合併。経費削減の流れから、どんどん廃止され、マンションが建ち、ミニ開発されるようになって行った。


実際私も主人の会社の寮、一度しか行っていない!というか、いかなくていい!

保養所があった頃の葉山は、土曜日から遊びに来て、日曜のお昼過ぎには、帰途につく。

そこから、地元民が出かけていくという、うまくニ回転していたものである。


葉山に警察の寮があった。初めは、看板が出ていた。途中から、ただの「葉山寮」とだけ書かれるようになった。

カジマ建設の研修所がある。元は、鹿島家の別荘だった。いつ建てたのだろうか?

調べると昭和12年と出てきた。一見の価値のある建物である。