この頃、珍しいものや鮮度が大事なものも、流通の改善によって、手に入るようになりました。
食い意地の張った私も、ふっと気づいたら、なかなか手に入らなくなったものがあります。
一人暮らしを始めた頃、やっとスーパーができ始めたばかり。商店での対面販売がまだありました。
魚屋さんでは、入り口に大きな桶に入ったドジョウがあり、横では串を打って焼いている魚を売っていた。
こんな話を書いたのも、ふっとドジョウを食べていないと気づいたから。
素人に開きは難しいので、小さいものを買って丸鍋にした。
今や、お店に行かなければ食べられないものになってしまった。
八百屋さんも、ネギの一本から買えた。珍しいものも、前もって頼めば仕入れてくれた。
肉屋さんも、特定の部位や多めな量は、融通が効いた。
この頃は、年寄りの多い街になり、小さなパックも出てきたが、手間のかかる部位が入らなくなってきた。
そういえば、お菓子は量り売りだった。400g単位! 匁(もんめ)3,75g 100匁が元の単位になっているのでしょう。
手提げのかごに、新聞紙にくるんだ商品を受け取って入れて帰る。だから、万引きもなかったのだろう。