縁を切っている姉のことで、フッと思い出したことがある。
音楽はクラシック、美術鑑賞が好きと見栄を張る。
もう40年以上も前。私は、いろんな分野の音楽を聴く。コンサートも行った。
クラシック、ジャス、コロッケだって行く。
「カラヤン」のコンサートのチケットが取れた。一番いい席である。
しかし、会場までの距離など、考えると、子供を預かってくれる人はいたが、まだかわいそうで、諦めた。
お金も請求せず姉にチケット2枚譲ることにした。
いつも偉そうに言っているし、相当なプラチナチケットだったが、譲った。
コンサートの翌日電話が来た。「楽しかった」というのだろうと思った。
しかし、第一声、「周りは汚い親父ばっかりで、雰囲気が悪かった」という、文句の嵐。
一番いい席で、周りは、マスコミ、評論家などのメンバーである。ガッカリというか、しまったという後悔でいっぱいになった。
思い出せば、いつも何かしてあげても、文句だけで、ありがとうを言われたことがなかった。
損な性格だなと思う。妹に負けたくないという思いなのか、頭を下げるのが癪なのか、もう付き合いがないので、穏やかに暮らしているが、
のんびりと音楽を楽しんでいたら、こんなくだらない昔のことが、思い出してしまった。