いろいろ片付け物をしていると、面白いものが出てくる。

人間これだけ生き、長く結婚生活をしてくると、それだけ余計なものが増えてくるのは仕方がない。

一枚の権利書がある。北海道に土地がある。山林で、結構な広さである。

昔、「原野商法」という詐欺が横行した。どうでもいい土地を、うまいこと言って売りつけるのである。

私と知り合うよりずっと前、主人とその父どちらかわからないが、ちょっとした泡銭が入った時に買ったらしい。

新幹線が通る、高速道路が通るという触れ込みだったらしいが、仕事で札幌に数年いた主人は、大体の土地勘もあり、見てはいないがそんなに不便なところではないということで買ったらしい。


しかし、詐欺が発覚したらしく、その関係の書類も入っている。まあ、土地は、現実にあるのだが、道路も通らなかった。

まぁ、話の種に、そのままになっている。税金もかからないし。

それから、数十年後、2人で行ってみようということになった。

虻田郡にある。駅から、レンタカーを借り、役場に行って聞いてみる。時々、そのような人が来るという。きちんと区画整理されたわけでもないので、この山のこの辺だろうということしかわからなかったが、地図を頼りに向かってみた。

なかなか、立派な道路ができ、この辺かな?って、眺めて洞爺湖のホテルに向かった。


「ウインザーホテル」サミットが行われたホテルである。

当時「エイペックスホテル」と言い、北海道拓殖銀行が建て、銀行が破綻して、ホテルも立ち行かなくなる直前だった。

JTBの勧めで、泊まったが、当日の客は、三組だけ。しかし、素晴らしいサービスに、満足して帰った。

だから、潰れるというニュースを聞いた時は、ショックだった。

そして、名前を変え、再建された。

ある時、あまり良くないという評判も聞いたが、どうなのだろうか。


その後、函館など回って帰ってきたが、その後行くチャンスがない。


北海道に土地があるという夢だけ持って、楽しんでいる。