胸にしこりができたことがある。やはり、嫌な予感するもので、すぐ病院に行った。

最初は、ハタチ過ぎたくらいの時。何か、気になり、近所の医者に行った。新宿の大きな、大学病院に紹介状を待たされ向かった。大体がそうだが、待合室の前の、小さく限られた診察室があり、その奥に、病院関係者が通れる通路がある。

医師の前で胸を出し、診察していると、学生か実習生か、若いお兄ちゃんが団体で通るところだった。

若いお姉ちゃんが胸だしているのだから、皆そこで立ち止まる。「見物料出せ」今なら言うが(今なら見ないか?)まだまだ、恥じらう乙女だった。良性で問題なし。


それから、20数年後、胆石から、胆嚢炎こじらして、全摘となった。しかし、炎症が治らなければ、手術できないと、3週間くらい、完全絶食、点滴だけの暮らしになった。

そうすると、どうなる、痩せる。胸から痩せる。

ふと気づいたら、胸にしこりがある。

明日、手術である。前日、回診に現れた医者に話した。

「どうせ、全身麻酔だから、ついでに組織取って検査する」と、胸に、黒いマジックで、❌を書いた。明日わかるように。

外科の医師ってやること大雑把だな。

結果、良性、問題なし。まぁ、胸は、無事揃っております。