今でも、各地にサーカスがやってくる。

いまだに、テントを張り、長期間興行を行う。

知人の家の近くにスポーツセンターがあり、昔は、頻繁に興行があったようだ。


ある日、知人が庭に出てみると、垣根の向こうにたくさんの人が家を覗いている。何事かと思い出てみると、庭の隅の井戸の前で、妹が顔を洗っていた。

下を向いて一生懸命顔を洗っていて、まるで気がついていない。

10センチ以上ある、赤、青、黄の大きな水玉のパジャマを着ていた。散歩で通りかかった人が、ピエロと間違えた。

「サーカスの人は、こういう家を借りているのだ」そう思ったそうである。

なにもわからず顔を上げた妹さんは、キョトンとして、それから笑ったそうである。

次からは、そのパジャマで、庭に出ることは無くなったといる話である。