お名前を書けば、大体の方は聞いたことがある名前だと思うので、匿名にさせていただく。
有名大学の教授であり、この頃、当たり前にテレビでコメンティターが出ていますが、その先駆けである。
相当出ていましたから、お名前くらいは知っていると思います。亡くなられてはおりますが、お身内の方もいらっしゃると思われますので、ご勘弁ください。
ある時、奥様と海外旅行中に、奥様は倒れられてしまう。確か、2ヶ月近く、付き添い、看病したが、帰らぬ人となった。
その落ち込みぶりは、周りで見ていても、心配になるほどであったが、49日を過ぎた頃、関係者の元に、一冊の薄い本が送られてきた。
元気だった頃の奥様のこと。闘病の様子。
さすが、プロの物書き。涙が溢れた。奥様も喜んでらっしゃると。
そして、数ヶ月!!! 有名人である彼が結婚することが、週刊誌に載った。満面の笑みの写真と共に。
確かに、1人は寂しい。ずーっと1人でいろとも思わない。特に男の人はかわいそうだと思う。
でも、あの小冊子は……
しばらくして、そっと捨てた。