30年ほど前、ハワイにハマった。特に、鄙びたカウアイがよく、数回足を伸ばした。
最初に行った時、ホテルの前にあるお店で、ムームーとアロハを買った。
値段も良かったが、きちんとしたもので、ずいぶん長い間愛用した。
その店の女主人は、広島からの移民だそうで、不思議に気があった。ずいぶん苦労もなさっただろうが、明るく笑っていた。あの時、おいくつくらいだったのだろうか?
行く度に、数時間のおしゃべりをして、いつも、「あなた、こっちに来なさい。この店任せるから!」冗談とも、本気ともなく、こんなこと言われた。
夕食に、ムームーを着るというと、その前にお店においで!と言って、髪にプルメリアの花をさしてくれた。
もう、30年以上経つ。どうしているだろうかと、時々、思い出す。
「あなたたちは、日本人の普通の観光客と違う」と、よく言われる。
カメラも持たなければ、お土産も買わない。こうして、地元の人と、仲良くなる。そう言われた。
ハワイも遠くなってしまったが、いい思い出になっている。