寒く、日が短くなってきた。
あの子が生まれた時のことが思い出された。急に寒くなり、私が入院中で、留守番の夫が、1人でなお寒さを感じたのでしょう。
入院中の私のもとに、毎日通っていた夫。
突然、紙袋を出した。こんなに寒いのだから、退院したらかわいそう。と、息子のために、電気アンカを買ってきた。
私が妊娠が分かったと、連絡した時も、マタニティに使える、ワンピースを2着買ってきた人である。
まだ早いよと思いながら、その心が嬉しかった。
夫は、一人っ子の上、親戚付き合いがない親に育てられた。
私は、常に、客がいて、遠縁の親戚までが子供を連れてくるような家に育ったから、いやでも、子供の扱いに慣れていた。
主人は、子供に触ることも怖かった。抱いて歩くなんて考えられない。我が子ながら、扱いがわからない。
しかし、我が子、愛情がたっぷりある。気持ちが通じてくる。これが親子なのですね。
しかし、自分より先に、理不尽な死に方をして、耐えられないのに、妻が、もっと、悲しんでいる。夫は、とにかく支えた。何よりも、妻を支えた。納骨もできない。「いいよ、俺が死んだ時、一緒に散骨して」そう言ってくれた。
7年後、2人で旅立って行った。やっと、涙を流す回数も、半分くらいになった。
来週、生きていれば、44才の御誕生日ですね。
