好きな作家であるが、非常に独特な人である。
「レディ ジョーカー」や、「マークスの山」は、映像化されたので知っている人もいると思う。
今、68歳くらい、大阪生まれ、大阪在住。大学は、東京でくらした。
執筆は大変遅い。下調べがすごいのである。
例えば、話題作の「冷血」赤羽(?)で起こした、強盗殺人事件の犯人が、相模原から、国道16号線を南下していく。横須賀の、現存するサウナまで出てくる。
最新作「我らが少女A」は、調布、府中をまるで生活しているように、描写していく。
「晴子情話」など、一連の津軽を舞台にしたものは、生まれた時から、津軽の吹雪の中で、暮らしているのではないかと、錯覚してしまう。
作品の構成を考えた時、何度、街を歩くのだろうか?
そして、「我が手に拳銃を」や、「李歐」など、拳銃を自分で削り、組み立てていく姿は、本当にやっていたのではないか?と、思ってしまう。
「照柿」の、溶鉱炉の色を、照柿と描写していく様は、この人、働いていたのではないか?と、思ってしまう。そんな描写をいちいち細かく描いていくので、話に乗るまでが、大変である。途中、何度も挫折しながら、波に乗り、ハマり始めた時の感動🥲
それが、ファンをやめられない最大の訳である。
一連の作品の主人公「合田雄一郎」スニーカーでひたすら歩く刑事である。突然止まると、足下の蟻を🐜眺めている。そんな風景、普通書かないですよね。彼女も私のも、歳を取ってきた。
あれだけの取材をいつまで続けられるか、わからないが、まだ、私が、頑張って読めるうちは、頑張って欲しい。
