今のようにスマホのなかった時代、待ち合わせは大変でした。
駅に伝言板があったのを、知っていますか。
黒板に、「先に行く」とか、「どこそこで待つ」などと、書いておきます。
だから、ホテルのロビーや、喫茶店など、電話して、呼び出ししてもらうこともありました。
結婚前、夫とデートするとき、遅れることがありました。連絡が取れれば、待ちます。
ある時、渋谷で待ち合わせしました。電話が来ました。「ちょっと時間潰して、待っててくれる?移動した場所、連絡して」と、電話番号を教わりました。とろとろ歩いて、あちこち覗いて、原宿まで行き、連絡したところ、「もう少し、時間がかかる」と、いわれた。とろとろ、見て歩きながら、青山まで行った。
はい、皆さんのご想像通り、また延ばされた。最後、六本木で会えたのは、夜中の12時。
最初の待ち合わせ、夕方4時。8時間待ったわけである。
最初から12時と言われれば、家に帰るという選択肢もあったわけで、ズルズルと、延びてしまった。
仕事かと思うから、待った。お互い、時間の予測の立たないこともある仕事なのはわかっているが、いいとこ、2時間くらいである。
結局、彼は、麻雀をしていたわけであり、私のことは、会社の仲間、皆知っていた。そして、独り勝ちしていた彼は、解放してもらえなかったというわけである。最初から、ちょっとだけ、付き合う予定だったのが、後から来る予定の人間が、仕事が終わらなかったようだ。
結婚してからも、常に、『死ぬまで忘れないで言い続けることその1』と、言ってやった。
8時間待ったことある人、いますか?