日本で、コンビニより多いと言われる、歯科医院と美容院。

美容師さんとは、仕事上、付き合いが多かったせいで、裏を見てきた。

昔は「髪結いの亭主」と言われるほど、稼げた職業だった。だから、手に職を付ければ、一生食いっぱぐれないと言われ、美容師を目指したか人が多かった。

学校に入ったり、地方から出てきて、住み込みながら、腕を磨く頑張る若い人を見てきた。

その人達が、一人前になり、自分でお店を持つようになり、あちこちに、美容院が増えていったようだ。

パーマをかけ、セットして、それなりの金額を払っていた。ちょっとしたことがあれば、セットだけしに、美容院に行った。

いつ頃からだろう、カットだけのヘアースタイルを推奨し始め、客もカットだけを求めるようになった。客単価が下がった。自分達で首を絞めたようなものである。

水商売の少ない街は、セットもできない美容師が増えた。着付けもできない。


私の髪は、細く量も多い。しかも、軽く癖がありまとまりやすい上に、毛の腰が強い。

腕の良いプロは、思い通りになるとして、私を指名した。特に外国に仕事で行く前に、デザインを確認したいと、私で、練習して行った。

結婚して住んだ街は、水商売のない街なので、着物を着ようと頼むと、着付けもできない、着物用の髪型もできない。ひどい目にあった。入学式など、時間の制限があるのに、いつまでも、「あれー」「あれー」と、持て余している。しかし、途中でやめるわけにもいかず、困り果てたことがある。


モデル時代は、染めるのも、プロが行い、地毛が出る前に、3週間以内に染める。カットも、超有名な先生以外、ハサミは入れさせないという状態だった。


結婚して東京から離れた。いつでもカットしてあげると言われても、子供を売れて出かけるのは難しくなった。

自然、足が遠のく。軽い癖があったせいで、自分で、毛先を揃えるだけで、なんとか収まることに気づいた。

以来、美容院は、着物を着る時以外、数年に一度。そんな状態である。


みんな、月に一度、結構な金額をかけていると聞くと驚く。まとまらないから仕方ないと言われると、そんなものか?私って、安上がりだと思ってしまう。

若い人が、いろいろな色に染めているが、簡単にできる商品があるのだろうと、微笑ましく見ている。