東京の高尾にこの建物がある。
ほとんどの人は、ここが何か知らない。近くから見えるが、何か知らないし、何かの宗教的建物と思う人もいる。
ここは、産業殉職者慰霊塔である。
昭和47年に作られ、22年以降の殉職者27万人以上の御霊が収められている。宗教色はない。
毎年秋に慰霊祭がある。昨年、今年は、コロナのため、規模を小さくして行うと、出席が難しくなった。
日本には、ここ1箇所だけのため、慰霊祭には、日本中から、出席する。
毎年2000人以上の方が収められる。
数年前の「電通の高橋まつりさん」も、労災認定され、ここに眠っている。
昔は、事故など、はっきりわかるため、すぐ認定された。
この頃は、鬱や、自殺など、ハッキリ因果関係がわからないと、認定に時間がかかるケースが増えています。
実は、息子が眠っています。仕事上、鬱になり、労災認定はすぐされたが、関わった医師は、取りっぱぐれのない患者なので、1日3回、17錠ずつの服薬させていた。何も知らなかった私たちが、気づいた時は、薬漬けの状態で、会社を辞めさせ、家に連れて帰り、医師を変え、薬を減らし、やっと良くなってきた時、突然亡くなった。
労災死亡認定を、要求した。
他の過労死の裁判を見てもわかるように、なかなか通らない。労基署や厚労省に何度も電話した。息子のような人をこれ以上出さないため。息子の苦悩を会社に知ってもらうため。
平気で「こういう場合は、7.8年かかる事がある」と言われた。私達、老夫婦にそんな時間はない。
戦った。戦って認定を受け、あの慰霊塔に眠っている。
11階建の建物の8階から4階までの納骨堂に1人、1人の小さな厨子が並んでいます。
国のお金であのようなものを造ると、批判する声もあります。
しかし、そんなものでも、私達には、僅かな慰めになっています。
今年も行けないし、後何回、行ってあげられるかわかりませんが、なんとか行けるうちは頑張ってあげます。
暗い、嫌な話でごめんなさい🙏
