8月1日から11月23日まで横浜美術館で開催されている展覧会「マリー・アントワネット・スタイル」キラキラ

すでに多くの人の来場者で賑わっているようです。

 

 

私はご縁があり、7月31日の報道内覧会に伺うことができました。

今年1月にロンドンを訪れた際に、ヴィクトリア&アルバート博物館(以下、V&A)イギリスで同展を観て感動したので、世界巡回最初の地として横浜美術館日本で開催されると聞き、とても楽しみにしていました。

 

V&Aが企画した世界巡回展の内容を軸に、日本会場のみの出品作および国内作品を加えた日本オリジナルの構成となっており、日本初公開を含む約200点が展示されています。

 

 

記者会見では、横浜美術館館長の蔵屋美香さん(右端)、V&Aシニアキュレーターであり同展の企画者であるサラ・グラントさん(右から2番目)、横浜美術館主任学芸員の長谷川珠緒さん(左端)が出席され、企画説明や展示概要説明がされました。

(サラさんの横は、V&A展示部門責任者のダニエル・スレーターさん)

とてもわかりやすい語り口なのにお話しになる内容はとても深いもので、記者との質疑応答も含めて非常に質の高い記者会見でした。

 

 

その中で印象的だったのは、「マリー・アントワネットはフェイクニュースの犠牲者である」というお話し。

展示物の中には、それが理解できる展示も多々含まれていますので、ぜひご自身の目で見て感じていただきたいです。

 

ここからは、私の心に印象に残った展示をご紹介します。

 

 

 Chapter1「マリー・アントワネット:スタイルの源泉 1770-1793

 

展示は3つのチャプターに分かれています。

Chapter1は「マリー・アントワネット:スタイルの源泉 1770-1793」

オーストリア皇女マリー・アントワネットが1770年春に14歳で王太子妃としてフランスへ嫁いでから、1793年にギロチンで処刑されるまで。

実際にマリー・アントワネットが使用したものも含め、当時マリー・アントワネット自身によって流行したファッションやインテリアが様々な資料と共にふんだんに紹介されています。

 

一見、同じに見える豪華なドレスですが、宮廷での正装、日中の正装、日中着と細かくドレコードが分かれているのですね。

 

これは、18世紀のもっともフォーマルなドレス“ローブ・ア・ラ・フランセーズ”。

先染めで作られたシルクの織物で、日本の絣に似たこの柄はマリー・アントワネットのお好みだったそうです。

 

マリー・アントワネットのファッションを支えた裏方に光を当てているのも同展の興味深いところ。

 

マリー・アントワネットと言えば、高く結い上げたヘアスタイル。

説明には「結髪師レオナールとモード商ベルタンは、アントワネットの特徴的な髪型やブフ(髪飾り)を考案しました」とありました。

 

こちらは、注文の品を届けに行くおしゃれな仕立屋さんとその娘。

この時代の仕立屋は、今でいうデザイナー。

自らが最先端のトレンドファッションで顧客のところに行っていたんですね。

「マリー・アントワネットの時代、パリの服飾産業において女性たちは主要な役割を担うようになり、その地位も向上していきました」とありました。

 

マリー・アントワネットの衣装は、フランス革命の際に略奪され、散逸し、王妃ゆかりのドレスは現在では、こういった断片しか残っていないそうです。

 

こちらはアランソンレースの縁飾り。

上質なレースはフランスのファッションに欠かせないものでしたが、当時、フランス・アランソン産のレースは「王妃のレース」として知られていました。

ちなみにアランソンとは、フランス北西部ノルマンディー地方に属します。

 

今回、初めて知ったのが、マリー・アントワネットが日本の漆を愛好していたこと。

この香箪笥もその一つ。

その関心と知識は、母マリア・テレジアから受け継いだそうです。

V&Aではこの展示はなく、日本独自の展示です。

 

日本はもちろん、世界初公開の真珠とダイヤモンドのネックレス。

実娘マリー・テレーズ・シャルロットが受け継ぎ、今に継承されていたことが2018年秋にわかったそうです。

 

マリー・アントワネット自身が愛用した肘かけ椅子。

背もたれ上の中心には、モノグラム「MA」があしらわれています。

 

マリー・アントワネットが愛したモチーフ、ヤグルマギクと真珠が描かれた食器。

 

 

 Chapter2「追憶と偶像化 1800-1940

 

Chapter2は「追憶と偶像化 1800-1940」。

マリー・アントワネット死後も、マリー・アントワネットスタイルは人々に影響を及ぼし、多くの人がそのスタイルを懐古します。

ナポレオン3世の后ウジェニーはその筆頭。

 

これはジャンヌ・ランバンによるイヴニングドレス「ローブ・ド・スティル」(1922-23年頃)。

「上部はすっきりシンプルに、スカートはパニエでふんわりと仕上げたイヴニングドレスは、マリー・アントワネットの軽やかなシュミーズドレスと、18世紀の豪奢な宮廷服の混成体のよう」と解説されていました。

 

 

 Chapter3「永遠に新しく マリー・アントワネットスタイル」

 

Chapter3は「永遠に新しく マリー・アントワネットスタイル」。

Chapter3はマリー・アントワネットスタイルからインスピレーションを得た現代のクリエーターたちの作品が紹介されています。

 

やはり一番興味深いのが、2006年に公開された、ソフィア・コッポラ脚本・監督、キルスティン・ダンスト主演の映画『マリー・アントワネット』。

 

こちらは劇中でキルスティン・ダンストが着用したドレス3着。

 

そして、マノロ・ブラニックが制作した靴。

 

記者会見でキュレーターのサラ・グラントさんが、この映画の着想源となったのは、アントニア・フレイザーの画期的なマリー・アントワネットの伝記(2001年)と話されていました。

この伝記と映画が、マリー・アントワネットをめぐる歴史の認識に変化をもたらしたとのこと。

意外に最近のことなのですよね。

 

左はテレビドラマ『THE GREAT』でエル・ファニングが着用したドレス(2023年)、中はウェールズ出身のドラァグクイーン、マーマレードの衣装(2024年)、右は映画『マリー・アントワネットの生涯』でノーマ・シアラーが着用したコートドレス(1938年)。

 

右2着はジェレミー・スコットによる「モスキーノ」2020-21秋冬コレクションの“ケーキドレス”。

その奥は同じくガウンで、ランウェイではこれにジーンスを合わせていたそうです。

さらに奥は同じくミニ・パニエドレスと共布のブーツ。

 

「ヴィヴィアン・ウエストウッド」2025クチュールコレクションのウエディングドレスで、その名も“マリー・アントワネット”

 

日本だけの展示である、ジョン・ガリアーノによる「クリスチャン・ディオール」2006春夏オートクチュールコレクション。

V&Aが所蔵する、マリー・アントワネットの17歳の時の肖像が描かれているイヴニングコートで、その肖像画も展示されています。

 

いかがですか?

ここで紹介したのはほんの一部で見所は満載。

 

展覧会の最後にはギフトショップがあり、「ハローキティ」や「ベルサイユのばら」とのコラボ商品もあり 大人気。

図録(3,800円)も見応え読み応えがあり、貴重な資料となる充実の1冊です。

 

 

会場では展覧会アドバイザーの中条あゆみさんと、音声ガイドナビゲーターの豊永利行さんによる音声ガイドがあるのですが、図録にも載っていないような裏話的なお話しでとても楽しいのでおすすめです!

 

たっぷり時間を用意して、楽しんでくださいね。

 

開催概要

展覧会名:マリー・アントワネット・スタイル

会期:2026年8月1日(土)~11月23日(月・祝) 

会場:横浜美術館(神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1)

休館日:木曜日 ※ただし8月13日、9月24日、11月19日は開館

開館時間:10時~18時/11月21日・22日は20時まで(入場は閉館の30分前まで)

展覧会公式サイト:https://www.marie2026.jp

 

横浜美術館近くのウェスティンホテル横浜では、10月31日まで23階ロビーラウンジで

「マリー・アントワネット・スタイル コラボレーションアフタヌーンティー」をいただけます。

アフタヌーンティーを楽しみながら、展覧会を振り返るのも素敵ですね。