こんにちはうさぎ

日本ボディファッション協会公式レポーターのピンク・ラビットです。

 

5月27日(水)から本日30日(土)に東京・青山のスパイラルで開催されたワコール創業80周年記念特別展示「Back to the Essence」

 

一枚のブラジャーが生まれるまでの工程や仕事内容を紹介した【前編】に続き、【後編】ではワコール80年の歴史を辿る「Wacoal Brassiere History」をご紹介します。

 

 

1946年に創業した「ワコール」の歴史イコール日本における女性の洋装下着の歴史と言っても過言ではありません。

展示では、年代ごとにブースがあり、社会背景とファッションを解説すると共に、その時代を代表する商品とキャッチコピーが紹介されていました。

 

 

下記からは、その展示された内容を要約しながらお伝えします。

 

 

 1946年創業。1949年にブラパットと出会い下着メーカーへ

 

ワコールは1946年に、創業者の塚本幸一氏によって婦人装身具を販売する会社としてスタートしました。

そして、1949年に塚本氏はこの“ブラパット”なるものと出会い、販売を始めます。

 

 

この“ブラパット”を挿入して使用するブラジャーを作り始めたことが、ワコールの下着メーカーとして第一歩となります。

 

 

 

 ブラジャーは「若い女性がよそゆきにつけるもの」だった1950年代

 

 

戦後から高度成長期へと変化した1950年代。

クリスチャン・ディオールに代表される、ウエストを絞ったシルエットのファッションが日本でも大流行。

ペチコートやコルセットなどの下着が流行したものの、ブラジャーなどはまだまだ「若い女性がよそゆきにつけるもの」という認識だったそうです。

 

 

こちらは1954年のブラジャー。

よく見ると左のブラジャーの胸元にクローバーマークの下げ札がありますが、これが当時のワコールの商標でした。

 

 

 ツイッギーに憧れた1960年代、ストレッチ性のある素材が開発

 

 

1964年に東京五輪が開催され、高度経済成長は頂点へ。

団塊世代(1947〜1949年生まれ)が成人し、グループサウンズ、アイビースタイル、フーテン族などの若者風俗が台頭。

ファッションの世界ではミニスカートが大流行。

その象徴とも言えるイギリスのモデル、ツイッギーが来日し、そのブームはさらにヒートアップします。

 

 

ストレッチ性のある素材が開発され、もちろんブラジャーにも用いられるように。

その代表が1966年発売の“ウイングブラ”。

ウイングというネーミングには、羽のように自由にからだを動かせるというメッセージが込められているそうです。

 

 

 モールドカップとフロントホックが登場した1970年代

 

 

ウーマンリブ運動が起き、性差による差別を撤廃しようという動きが活発になった1970年代。

ヒッピーファッションが流行し、Tシャツ、パンタロンなど性の違いを感じさせないアイテムが人気に。

サーファーファッションが流行したのも1970年代です。

 

 

左が1972年に発売された、カップの縫い目を無くした“シームレスブラ”。

からだにフィットする薄手のニットやTシャツなどに対応できることから、瞬く間にヒットとなったそう。

右は1978年に発売された“フロントホックブラ”。

「背中のホックのラインが出ないというファッション性をアピール」とありました。

 

 

 バブル景気となる1980年代、女性の気分に合わせた3つのブラジャー

 

 

1986年に男女雇用機会均等法が施行され、キャリアとプライベートの両方を充実させるライフスタイルへと変化。

1980年代後半にはバブル景気のピークを迎え、ファッション、飲食、住居、すべてにおいて高級化・ブランド化が進みます。

 

 

女性の気分を1週間の3つのシーンに設定し、それぞれの気分に応じたつけごこちと機能性を持つブラジャーを提案 。

左から“花金ブラ” “月金ブラ” “土日ブラ”(すべて1988年発売)。

 

 

 大ヒット作、よせてあげる“グッドアップブラ”が発売された1990年代

 

 

バブル経済は崩壊し、平成不況へと突入した1990年代。

大きな災害や事件が相次ぎ、社会には停滞感が漂うことに。

一方で、ファッションはボディコンスタイルやヘソ出しルックが流行するなど、ボディラインを意識させるスタイルの流行が続きました。

 

 

1992年に発売された“グッドアップブラ”。

「よせてあげて。グッとアップ」は流行語となり、5年間でシリーズ累計1000万枚を売り上げ、ワコール史上最大のヒット商品に。

今もなお語り継がれる、日本下着の歴史に名を刻むブラジャーです。

 

 

 価値観が多様化する2000年代、ボンディングのブラジャーが登場

 

 

インターネットが普及して生活様式が一変し、消費やコミュニケーションが多様化した2000年代。

ファッションの流行は細分化されつつも、赤文字系ファッション誌が人気となり「モテ」「愛され」「大人かわいい」などがキーワードに。

それと同時に、青文字系ファッション誌に代表される同姓ウケのファッションも人気となりました。

 

 

2003年に発売された“Tシャツブラ<NAMI・NAMI>”は、今日では一般的となったボンディング(圧着)加工をいち早く施した画期的な商品。

背中に段差ができにくい機能を打ち出し、「女性たちの意識を背中にまで向けることに成功した」とありました。

 

 SNSが定着して“映え”が求められるようになった2010年代

 

 

スマートフォンとSNSの普及で情報流通と人間関係を変えた2010年代。

多様性や個人の生き方を尊重する意識が広がる一方で、分断や孤立も顕在化することに。

SNSの流行で「いかに自分を美しく価値あるものに見せるか」に関心がシフト。

ファッションもトレンドの移り変わりが早まり、さらに多様化。

 

 

左は2010年に発売された “胸もと年齢マイナス5歳をめざすブラ” で、年齢によって変化したバストの形や、やわらかさに対応したブラジャー。

右も2010年に発売された“リボンブラ”。

「胸の谷間も長時間キープしたい」というニーズに応えたブラジャー。

 

 

そして、2020年代には、今も人気のブラジャーが展示されていました。

 

 

左が、睡眠中のバストの不快感をやわらげて、ここちよい眠りへと誘う“ナイトアップブラ”、右がバストを重力から守るという新しい発想から生まれた“重力ケアブラ”。

 

 

左が、まるでハグされているようなここちよさが人気の“ハグするブラ”。

2023年6月の発売以来、「ワコール」ブランドで最も売れているブラだそうです。

右が“ハグするブラトップ”。

やさしいつけごこちを追求した “ハグするブラ” の快適さはそのまま、ブラトップの機能的な構造で感じる不満に対応するべく誕生したそうです。

 

皆さんは、どの時代からご存知ですか?

来場者の中からは「私のファーストブラがあった!」という方もいらっしゃったそうです。

こうして歴史を振り返ると、ブラジャーの歴史は、女性達が歩んできた時代の歴史であり、ファションの流行と呼応していることがよくわかります。

次の時代はどうなっていくのか、興味深いですね。

 

ワコールの歴史や下着の歴史に興味がある方は、こちらのサイト↓もぜひご覧になってください。とても勉強になりますにっこり

ワコールグループの歴史