映画『アメリカン・ハッスル』 | ビッグマックはもういらない

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バットマンがこんな姿になってる! と驚きのオープニングから一気にラストまで見せてくれる。
シナリオやキャスティングだけでなく、この映画の肝はリズム感じゃないかと思います。
音楽も合わせてややアップテンポの拍にのったリズム感が絶妙で、ぐいぐい観る者を惹き付けて離さない。
デヴィッド・O・ラッセル監督作品初体験でした。
今年のアカデミー賞に『ゼロ・グラビティ』と並んで最多10部門ノミネートというというので見たのですが、噂に違わぬ楽しい映画でした。
このデヴィッド・O・ラッセル監督は、前々作『ファイター』で6部門、前作『世界にひとつのプレイブック』で8部門のアカデミー賞ノミネートを受けていて、本作で10部門ということは、次回作は12部門ノミネートされちゃうかな、などとどうでもいい予想をしてしまいそうになりますが、本作は主要の作品・監督・脚本・編集に加えて主演助演の4俳優すべてにノミネートされているのがすごいです。
実際、俳優の達者な演技に惚れ惚れしながら見られる役者劇でもあります。
特に、ジェニファー・ローレンスに天才を見ます。もともとジェニファー・ローレンスは他の俳優とは一線を画す実力の持ち主とはわかっていましたが、ここまでできるとは凄い。恐るべし23歳。去年に続いて二年連続受賞してもおかしくないんじゃないかと思ってしまう。

と、散々楽しんで映画館を後の帰途に気がついた。いつもは翌日に気づくので今回はちょっと早い。
これはスコセッシ監督の『カジノ』の手法に倣った作品じゃないかなと。
事実に基づく物語という点にはじまり、当時流行した曲をバックに流し、おそらく実在の登場人物に似せた役づくりの俳優達、そしてなによりも心地よいテンポとリズム感。
だからあの重要な場面であの役者が出て来たのか! と勝手に納得してニヤニヤしてきました。
そんなショータイムな映画、アカデミー賞いくつ獲れるかな。
作品賞と監督賞は『ゼロ・グラビティ』になるだろうけど。