奈良でおでんを食べました

近鉄奈良駅から南へ

繁華街を抜け、街路灯も少なくなったあたり

「おでん」「うどん」と書かれた赤ちょうちんが見えてきました

竹の館という、おでんとうどんしか置いていないお店です

 

お店の中に入ると、大きなおでんの鍋が出迎えてくれます

お店の名前のとおり、竹が一杯です

家族連れ、グループ客、カップル、老夫婦などで満席で

20分ほど待ちました

メニュー表には、シュウマイ、タコ、タケノコ、ジャガイモなど

九州ではあまりなじみのないものもあります

「梅焼き」というのは何でしょう

見たこともありません

期待が膨らみます

 

奥の席に案内され、生ビールとおでんを注文しました

ダイコン、スジ、タケノコ、タコ

そして「梅焼き」

まずはダイコンから

柔らかくて箸がすーっと通ります

出汁は透明で、ちょっと塩味を感じます

 

タケノコのおでんは初めて食べます

味がよくしみて、上品な煮物のような感じ

 

スジは、肉の味がよく感じられる私の好きな味です

 

さて、梅焼き!

中に梅干しが入ってるのかな?

酸っぱいのかな?

フワ~ッとした柔らかなすり身のお味は

甘い!

出汁の塩味とよくマッチしています

 

正面の席で一人でお酒を飲んでいるおじいさんが

隣の席のお客さんに話しかけていました

「この店を建てたのはワシやねんで

 50年前、30歳の時にこの店を建てたんや

 年がばれてまうなあ

 アッハッハ」

 

もともとこのお店は屋台で、おでんの鍋がある辺りで営業していたそうです

最初に小さなお店を立て、あとで客席の棟を増築したのだそうです

 

なかなかタコが来ないので、

ガンモドキとごぼ天、熱燗のお酒をたのみました

後半になると、段々塩味が立ってきて

ガンモドキは、ちょっと塩辛く感じました

遅れてやってきたタコは、柔らかくて絶品!

ほぼみんなが頼んでいるのも頷けます

 

最後は、ご飯におでんの汁をかけて、サラサラッと頂きました

 

まだ若いご主人が、鍋の前でテキパキと切り盛りしています

お母さんや、お姉さん、お嫁さん(かな?)が手際よく注文を受け

配膳をこなしていました

おばあさんも、少し足を引きずりながらお皿を引いたり、洗い物をしたりしていました

「家族みんなで支えているお店」そんな感じを受けました

感心したのが、言葉遣いです

お客さんに対してはもちろんですが、お互いに掛け合う言葉がとても丁寧で、

聞いていて気持ちがよかったです

 

おじいさん、おばあさんが屋台から始めたおでんの味を

家族みんなで引き継いでいる

そんな素敵なお店でした