しょうもないと思いながらもかんけいがきれないのは、縋るようなこれが続くのは、なんでだろう。
好きなんじゃないのかと問われて気まずい返事になったことが痛い。
だってどうしてもこの役割はこの人にしかできなくて、他は役不足で、仕方ない。
あのフローリング
あのピアノ、変調。
長くお互いさまよってそして僕らはあの夏再会した。
違うと言えば嘘になって
そうだと答えても嘘になる。
うそばかりの関係。
ただ恋でも愛でもなく引かれあって、惹かれ合うじゃなく
それだけは真実。
思い出すのは夢にもに似たあの場所
初めに僕らがリンクしたあの場所ばかりで、それからの自分を追うと後悔ばかり。
後悔も反省もしたのはあなたが初めてです。
香りも癖もこいつの物ばっかり覚えていく体が憎い。
体も頭もこいつの事ばっかりになっていくことが怖い。
そう怖い。私は怖い。
記憶をなぞるように視線が絡まる。
盗み見て
でも隠しているただひとつ、僕らが二人っきりだった夜のこと。
30分前に何千人に笑顔を振りまいていた、あの顔が
長く広い廊下重いドア近い吐息汚れたコンバースと新品のパンプス。
構わない。
おちてもいい。
冷たい息と永久にも感じたぬくもり、声、まなざし。
おちてもいい。
ふいに、本当は私と同じ色の瞳が飛び込んできて私は少し前のあなたのことを忘れる。
花のようだと、口をつきそうになる。
深くおちていた体温が春に温められる。
ずれた重心で不安になって、余計なことを口にして、帰り道、後ろめたくてまたしにたくなった。
辛いのは、こんな風にそれを思い出して不確かな先にふらふらさまよっている自分の手首を引き戻すとき。
そっちじゃないよのそっちって、どっちのことですか