BLINDMANはギタリストの中村達也氏を中心に結成された正統派ハードロックバンドです。20年以上もバンド活動を続けている大ベテランですが、彼らを知ったのは近年の事です。現ボーカルはRAY氏となっていますが、今回は前ボーカルの高谷学氏在籍時のBLINDMANについて紹介します。
 

1.BLINDMANの音楽性
 図太く歪んだギターサウンド、中音域にエネルギーが満ちている、ドスの効いた雄々しいボーカル。ハードな要素が詰め込まれながら、キャッチ―な楽曲にごく自然に落としこまれており、全編に渡って哀愁が漂っています。キャッチーだからといって、けっしてダサくなることがなく非常に絶妙なラインを突いてきます。職人技です。中村氏のコンポーザーとしてレベルの高さを伺わせます。

 

2.ギターサウンド

 バッキングはハムバッカーのガツン!ゴリッ!とした粗目の四角い音像がダイレクトに伝わります。ギターソロ時は太く、ウェット、煌びやかなトーン。そのクラシカルなフレーズは、時よりリッチー・ブラックモアを彷彿させます。HR/HMのギタートーンというのは時に、洗練されすぎて真実味が薄くなることが多々ありますが、中村氏のギタートーンは作りこまれながらも、真実味と熱量を感じますね。

 

3.ボーカル

 BLINDMANのフロントマンを10年以上務めていた、前ボーカルの高谷氏。HR/HMジャンルでは、ボーカルは中高音域~高音域にピークにあることが多いですが、高谷氏は中音域ど真ん中に倍音が集中しており、泥臭い感じの声質です。この男らしい声質がキャッチーな楽曲をよりヘヴィに演出しています。

 

 また、現ボーカルのRAY氏は、対照的にハイトーンボイスとなっています。「BLINDMAN=高谷学」というイメージから、RAY氏自身も加入に少し抵抗があったようですが、バンドとのセッションを行ううちに、打ち解けていったとのことです。RAY氏加入後は楽曲自体は大きく変わりないのですが、より高音域が華やかになり、シンセの音が映えるような構成になった印象です。新生BLINDMANといった感じですね。

 

4.おすすめアルバムは「EVERGREEN」

 高谷氏の在籍最後のアルバムは、2012年の再録ベストアルバム「EVER GREEN」です。アグレッシブな曲が多く収録されています。これ、プロダクト(音質)がやたら良く、音圧も解像度も高いです。ギターもボーカルも前面にガツン!とでています。また、ベストだけあって曲も粒ぞろいとなっており、BLINDMANを知るうえで最適な一枚となっています。

 

おしまい☆