さて、前回の続きです。

 

 今度こそ、今度こそリフィニッシュ編になります。カラー塗装とクリア塗装の2工程で実施します。それではいってみよー!

 
1.カラー塗装
 今回は一般的なシーラー層の上に乗せるような着色ではなく、木地に着色するオイルフィニッシュとなります。
 

1-1.用意するもの


(1)ワトコオイル エボニー
 ワトコオイルは木材着色用のオイルステインです。焦げ茶を目指すためエボニー色を選定しました。

 

(2)ハケ
 ワトコオイルを塗るためにハケを使います。

  

(3)キムワイプ
 ティッシュではありません。余分なオイルを取り除くためのペーパーウエスです。繊維が落ちにくく、使い捨てでお手軽です。プラモデラー御用達。

  

(4)角材
 今回は吊るしながらの作業なのでネックポケットに繋げる100均で手ごろな角材、というか木片を購入。

 

(5)耐水ペーパー#400(1枚)
 オイル磨き用のペーパーです。

 

 

1-2.実施内容
 ワトコオイル公式ホームページの通りに実施しました。

 

 ①全体的にたっぷり塗る

 ②15分くらい放置

 ③拭き取る

 ④1時間乾燥

 ⑤1回目より少ない量を塗る

 ⑥耐水ペーパーでオイル磨き

 ⑦拭き取る

 ⑧完全乾燥まで待つ。(たまに拭く)

 

 重ね塗りすることで色が濃くなるんですが、1回目の重ね塗りでもうかなり黒々としていたので、最短で終わっています。完全に乾くまで3日ほどかかりました。

 
■ワトコオイル2度塗り後の図

 

1-3.所感
 バスウッドは塗料の吸込みが凄く良いと思いました。公式サイトやブロガーさんの他の木材の着色例だと薄く色づいたような印象ですが、バスウッドに関してはめっちゃ色づきます。最初の予定では3〜4度塗りしようかと思いましたが普通に2度塗りで終えました。

 

 これは目の詰まった硬い木材ほど吸込みが悪く、目の荒い柔い材ほど吸込みが良いのかなと推測します。あと、さほど強烈でもないですが、普通に臭い(青くて甘い)はありますので、換気必須です。

 
2.クリア塗装

 ワトコオイルは表面に塗膜を形成するタイプの塗料ではありません。このままだと、ピックガードの無く柔らかいバスウッドボディのMGは傷だらけになってしまうことが予想されます。表面保護のためクリア塗装を行います。

 

2-1.用意するもの

(1)Xotic oil gel XP-OG1
ジェルを対象物に塗布すると、4時間程で完全に硬化し塗膜を形成するタイプの塗料です。特別な道具もいらないので評判が良いですね。

 

 

(2)キムワイプ
 ワトコオイルでは余分な油をふき取ることに使用していましたが、今回は塗り拡げることにも使用します。

  

 

(3)耐水ペーパー#600、#800、#1000
 塗料硬化後にムラを均すためのペーパーです。

 

 

(4)ビニール手袋
 オイルジェルは手につくとべたつくのでビニール手袋必須です。

 

 

2-2.実施内容
 ①ボディ表面の汚れを払い、キレイにする
 ②ボディ全体に塗料を塗る
 ③4時間待つ
 ④ペーパー#600で磨き、削りカスを落とす。
 ⑤①から④の工程を好みの厚さになるまで繰り返す。(今回は10回)

 ⑥仕上げのペーパー(#1000)磨き。(中断)

 

2-3.所感

 塗り重ね3回ほどでテカリが出てきますを6回まで塗って気付きますテカテカではあるんですが、細かい塗りムラが出来ています。

 
■Xotic oil gel6度塗り後の図

 

 こんな感じでとりあえず10回重ね繰り返しますが、ボコボコが消えませんでした。#1000で磨いたところ、マットな質感になり、ちょっとイメージと違う感じになりました。サラサラで手触りは気持ちいいんですけどね。やはり、テカテカしてたほうが木目が映えてカッコよく感じたので別に仕上げの研磨を行います。

 

3.仕上げ磨き

 グロス仕上げにするため、コンパウンドで仕上げの研磨を行います。

 

3-1.用意するもの

(1)耐水ペーパー

コンパウンド前に塗りムラを#1000番で均します。

 

 (2)キムワイプ

コンパウンド用のクロスとして使用。手が汚れたので普通のクロス使ったほうが良いです。

 

(3)コンパウンド

車用の極細コンパウンドを使用しました。臭いです(汗)。臭いの抑えられたものを使ったほうがいいかもしれません。

 

3-2.実施内容

 ①水研ぎを#800で行いクリア塗装面が平面になるまで研磨する。

 ②コンパウンドで磨き艶を出す

 

3-2.所感

 まず、①の段階でやり過ぎてしまい高音弦側のホーンの着色層を削ってしまいました(汗)。塗りムラが出来ていて薄い部分があったようです。10回塗ってもこの程度の厚さにしかならないということですね。ということで、削りすぎた部分だけオイルでタッチアップし応急処置し、その後オイルジェルを4回ほど塗り重ね、タッチアップが完了したらコンパウンドで削って艶を出します。

 

■仕上げ後の図(タッチアップ部分が少し薄くなった)

 

 
 
 研磨が甘く、ムラになっている部分もありますが、とりあえず完成とします。
 
 MGは元々のラインナップでのカラーバリエーションも既に多いのですが、オーナーがリフィニッシュしていることも多く、改造素体にされることが多いモデルだと思います。その特徴的なボディシェイプからか、殆どが90年代的なビビッドで華やかなカラーです。こういうダークブラウンのシースルーは対照的で、中々珍しいんじゃないかなと思います。

 

4.反省

 次回は無いと思いますが、Xoticの塗装について反省点を書き残して置きたいと思います。

 

(1)ジェルは塗布後、30秒ほどで固まり始める
 今回はボディ全体の塗布です。30秒ほどで粘度が高くなります。そうなると塗料の伸びが悪くなり、塗りにくくなります。ジェルをごく少量しかつけていないと、何度もウェスで塗装面を触ることとなり、結果キレイに塗り拡げにくくなります。一回の塗布には少なくとも小さじ1(5ml)以上は塗った方が良いと感じました。塗布後はしっかり濡れていると感じる程度に塗った方が良いです。

 

(2)最初は塗り拡げにくい
 最初は塗装面が荒いのでジェルを塗り拡げにくいです。木地の上が塗膜によって凹凸が少なくなると塗り拡げやすくなります。そう考えると最初の木地調整の段階で#800~#1000で整えておけばかなり楽なのではないかと思います。

 

(3)研磨する量は気を付けて

 公式では#600で面を整えてくださいと書いてありますが、通常の感覚でやれば削りすぎになってしまうと思います。また、木地が完璧に整っていれば削る工程がかなり楽になると思います。#400の整地から始めた場合は、木地をよく見て、毛羽立っている部分は無いか?薄い面は無いかを塗り重ねの度に見極めることが重要ですね。

 
 
次回は電装編!
 
おしまい☆