ギターの指板メイプル指板とローズ指板の音の違いというのはギタリストには一般的に知られているものだと思います。しかしながら、その出音からトーンウッドそのものの傾向として認識とされている人も多いんじゃないでしょうか?今回はメイプル指板とローズ指板の構造の違いについて考察します。

 

1.指板別の特徴

 指板の音質傾向は以下とし、これを主軸に話をしたいと思います。

 

■メイプル指板

 ・ピークが中高音域にある

 ・明瞭で明るいトーン

 ・中低域の倍音が少なめで透明感がある

 ・低音の締まりが弱い

 

■ローズ指板

 ・ピークが中音域にある

 ・湿っており暗めのトーン

 ・中低域の倍音が多く濃密


2.木材の比重
 ギターに用いられる木材の音響特性として、比重が重いほどドンシャリになり、軽いほどミッドに寄った音質になります。このことから、音質の傾向として高音が出るメイプルは比重が重くて、ミッドに寄ったローズウッドは軽いというイメージはないでしょうか?
 
 実はこれ、比重はローズウッドの方が重いです。
 
 これは由々しき事態ですね。。。「ギターの指板によって宇宙の法則が乱れてしまう!」とも思いましたがそもそも、メイプル指板とローズ指板って実は構造が異なります。
 
3.そもそも構造が違う
 そう、構造が違うんです。相違点は2点。「塗装」と「貼り合わせ」です。
 
(1)塗装
 塗装をするとどうなるかというと、振動が抑えられます。つまり、メイプル指板は塗装によって振動が抑制されている。対して、ローズ指板は無塗装なので振動が抑制されていないと言えます。
 
(2)貼り合わせ
 ネックはプライ(貼り合わせ)の数が多くなると、剛性が上がり振動しにくくなります。そしてネックの厚さは大体20mm~25mm程、指板は4~5mm程となっており、ネック中の割合からいって指板は剛性の観点で無視できない厚さとなっています。つまり、貼りがデフォルトのローズ指板は振動が抑えられる傾向になります。
 
上記を勘案すると、以下のようになると考えます。
 ・比重の低いメイプル指板の音がミッドに寄らないのは、指板へ塗装がなされている影響が大きい。
 ・比重の重いローズ指板の音は中音域に寄ったままのため、指板貼り合わせによる振動抑制の影響は少ない。


 つまり、無塗装のメイプル指板はミッドに寄った音になって、ローズ指板に塗装するとメイプル指板に近い音がでるということなんじゃないかな?と思います。


おしまい☆


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