ESPのトレモロスプリングについて再レビューします。当ブログではスプリングネタは何度となく取り上げているため、実質、再々々々レビューくらいになると思いますが、今回は「指板との相性」を軸に考察していきます。

 また、再度レビューしようと思ったのは先日。トレモロスプリング(ESP type-1、type-2)を何気なく交換してまして、今まで好きでなかったtype-1に関して、かなり好感触だったことからです。

 所有する複数のギターで確認したところ指板との相性(といっても好みですが)や交換時に考慮する方向性が見えてきたと思いますので、綴りたいと思います。

1.トレモロスプリングの特性
 以下の表はESPのトレモロスプリングであるType-1とType-2の特性を現在までのレビュー内容をまとめたものです。トレモロスプリングはパーツ自体にギターの出音を変える音響特性を持っており、本数や掛け方を変えてもその特性はギターの出音に現れます。
 
項番 項目 Type-1 Type-2
1 スプリング径 小さい(細い) 大きい(太い)
2 スプリング長 長い 短い
3 スプリングの張力 Type-1「5本」でおおよそType-2「3本」の張力
4 音の輪郭 丸い ハッキリしている
5 音の粒 きめ細かく整っている ジャリっとして荒い
6 傾向 中音域に寄っている ドンシャリ

 

Type-1

 
Type-2

 

2.指板別スプリングとの相性

 私が感じる、指板の持つ特性とスプリングとの相性を以下に示します。

 

2-1.メイプル指板

(1)指板の特性

 ・ピークが中高音域にある

 ・明瞭で明るいトーン

 ・中低域の倍音が少なめで透明感がある

 ・低音の締まりが弱い

 

(2)Type-1との相性

 音が中音域に寄って音質がふくよかになり、高域の暴れも少なくなります。音の角が取れて聴感上は上のレンジが狭くなったように聴こえます。メイプル指板特有の艶やかな高域が抑えられ、トーンは暗くなります。また、元々低音の締まりが弱い指板の特性と相まってプレーン弦では少し粒立ちが弱くなります。音にまとまりが出るので弾きやすく感じます。

 

(3)Type-2との相性

 スプリングがドンシャリ傾向のため、高域をしっかり感じられます。また、低音もType-1と比較して明瞭なため、よく分離して出音します。中音域があまり出ないギターだと音が硬くなってしまい、ツッテンテンな音になることもあります。

 

 メイプル指板の透明感や明るさが良く出るのはType-2のスプリングです。

 

2-2.ローズウッド指板

(1)指板の特性

 ・ピークが中音域にある

 ・湿っており暗めのトーン

 ・中低域の倍音が多く濃密

 

(2)Type-1との相性

 もともとローズ指板は中音域に寄っているため、Type-1の上のレンジの狭まさによる音の欠損は感じません。高域の暴れが少ないため、自然な分離感できれいに出音します。

 

(3)Type-2との相性

 上のレンジは広がりますが、出音が少しピーキー、ドライな傾向でコードに一体感の無い暴れを感じます。ローズ指板特有のまとまり、湿っぽさ、色気が減るように感じます。

 

 ローズ指板の中音域の濃密さや色気が良く出るのはType-1のスプリングです。

 

3.まとめ

 メイプル指板にはType-2、ローズ指板にはType-1が相性が良く感じるという結果になりました。特段逆パターンが悪いというわけでもないですが、指板のそれっぽさを出す際の一つの指標が出来たと思います。

 

 ということで、指板が出音に影響与えているとされている音質傾向の捉え方によって、買うスプリングを選ぶのもありなんじゃない?という提案でした。

 

おしまい☆



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